『あまちゃん』は震災復興編になって、面白さがちょっと半減しちゃったね。
復興という重いテーマが入って、そこぬけの明るさがなくなっちゃったから、面白いシーンも素直に笑えなくなっちゃったというか。
まあ、やっぱり僕が、アイドルを目指す話が好きだったんだという事に尽きるけど。
『あまちゃん』は、宮藤官九郎が脚本という事で、始まる前から観たいなあとは思ってた。
だけど、後半で東日本大震災のシーンがある、という事がわかって、観たい気持ちを失ってしまって。ドラマとはいえ、あの震災を思い出してしまうシーンがあるというのは辛くて。観たくない、と。
それでも気になって、第1回は観た。でも、ヒロインの能年玲奈があまり可愛く見えなかったし、海女さんの話というのもなんだかなあと思って、次第に観なくなっちゃった。
でも、気にはなるから、読売新聞でのあらすじ紹介は毎週読んで、大まかなストーリーだけは追ってた。
で、やっぱりきっかけになったのは、東京編になった辺り。上京してアイドルを目指すという話になった頃。舞台設定も、AKBを思わせる内容で、これはやっぱり観たいなあ、と。
それで、今まで設定の仕方がわからなかった、ブルーレイ・レコーダーの月曜~土曜予約録画の仕方をなんとか見つけて、毎日観るようになったのだ。
ちょうど総集編なんかもやってくれたりしたので、前半のダイジェストも観る事ができたけど、やっぱり東京アイドル編が面白かった!ずっぽりハマッてしまった。初めはあんまり可愛いと思えなかった能年玲奈も、回を重ねる毎にどんどん可愛く見えるようになってきて。いやはやめんこい。
それが、9月に入って、とうとう震災の話になってしまう時には、ついに来たか...と、ドキドキしっぱなしだった。当日のオンエアは緊張しまくった。
だけど、地震のシーンも、それほど大きな揺れでなく、津波のシーンもジオラマを使った演出で、震災は意外にもあっさりとしたもので終わってくれた。あの時の暗い気持ちを強く思い出させるようなものではなく、時間の経過もスピーディーに、あっという間に何ヶ月分も進んでくれた。やっぱり、明るくて面白い『あまちゃん』には、深刻なものは似合わないという感じで済んでくれたので、僕的にはホッとした。
そんなあまちゃんの『あまちゃん歌のアルバム』、インスト中心のサントラ盤と違って、これはヴォーカル入りの歌もの中心に構成されたアルバム。
見事、オリコン1位を獲ったみたい。
あまちゃんにハマッた僕も当然興味あったのだが、アルバムとはいえ、ちゃんとした歌として成立してるのは3、4曲。それを、太巻デモヴァージョンとか...CMソングとか...橋幸夫とか...カラオケとか...短くておまけみたいなものをぶち込んで、無理やりアルバムという形にしてる。
これでは、アルバムとして通して何度も聴くに値しないなあと思って。それなのに買うのはちょっと...と思ってしまって、レンタルという手を選択。
欲しかったのは「潮騒のメモリー」のメモリーズ・バージョンと、「暦の上ではディセンバー」と「地元に帰ろう」の3曲だけだったからね。iTunesに入れたのも3曲のみ。他の曲は無視してしまった。
2曲目「暦の上ではディセンバー」。
アメ女のヒット曲という設定の曲だったけど、僕が真面目にあまちゃん観始めた頃には、この曲は披露された後だったので、あんまり馴染みがない曲だった。でも、アイドル・ソングという事でやっぱり外せない。チープなテクノっぽいイントロのフレーズが耳に残る。「貪欲」とか「暗躍」とかアイドルの歌らしからぬフレーズもあって。ラップ(?)の部分はついつい合いの手を入れたくなったり、ヲタ心をくすぐられる。
3曲目「地元に帰ろう」。
ヒロインのアキも所属するGMTの曲。初めに聴いた時は、バラードかよ...と思ったんだけど、「♪好きです先輩おぼえてますか」のメロディがなんとも可愛く甘酸っぱくて胸キュン。聴けば聴くほど大好きな曲になった。やっぱりアキのソロ・パートが可愛いな。ラストはサンバになるんだね。でもサンバなのに寂しい気持ちになるのは何故だ。
9曲目「潮騒のメモリー(お座敷列車バージョン)」。
「潮騒のメモリー」は天野春子こと小泉今日子が歌ってるバージョンは既に持っていて、何度も聴いた。だけど、キョンキョンは歌は上手いとはいえ、やっぱり40代のおばさんの歌なんだよね。アイドル・ソングとは言えない...。なので、ヒロインのアキとユイが歌ってるバージョンが欲しかったんだ。だからこれには満足。それにしてもこの曲は良く出来ている。バラードで始まる冒頭、「♪砂に書いたI miss you」の後の切ないキーボードのフレーズ。「♪潮騒のメモリー17歳は」での締め付けられるようなメロディ、そして「♪波のように」でぐいぐいあがってきて、サビでテンポがアップして、王道アイドル・ソングの盛り上がりをみせる所、「♪来てよタクシーつかまえて」での解放感!80年代アイドルの名曲へのオマージュを散りばめながらも、ふざけずにはいられないクドカンならではの歌詞にも唸らされる。ユイはなかなかいい声で、低血圧っぽいユイが「♪低気圧に乗って」とクールに歌うのは痺れる。アキは下手だけど愛くるしい歌声。その拙さに萌えるし、「♪千円返して」のコミカルな所がハマッてる。そして何と言っても、聴き所は一番最後。ユイの「♪嫌いよ」の歌声が素晴らしすぎる!消え入りそうで儚い感じがゾクゾクくる。
そんなアルバムの3曲を聴きながら。
明日、とうとう、あまちゃんが終わる。