73年リリースの6thアルバム。
邦題は『海洋地形学の物語』。
メンバーは、
ジョン・アンダーソン(ヴォーカル)
クリス・スクワイア(ベース)
アラン・ホワイト(ドラム)
スティーヴ・ハウ(ギター)
リック・ウェイクマン(キーボード)
2枚組。本編4曲+ボーナス・トラック2曲。
大作志向がここまで来たかという感じで、アナログの片面すべてを1曲に使って、それが2枚組だから、A面B面C面D面各1曲ずつの全4曲という構成。
このCDでは、ABC面をDisc1に、D面とボートラをDisc2に収録している。
でも、ボートラなんていらないから、アナログと同じように、AB面をDisc1、CD面をDisc2とした方がスッキリわかりやすく聴きやすくて良かったのにと思う。
しかし、このアルバム、ビル・ブラッフォードが抜けたとはいえ、名ライヴ盤『Yessongs』のメンバーによるものだし、気合の入った2枚組で、全英1位も獲ったとの事。
当然、期待して聴いた。
聴いた。
けど。
これは...。
はっきり言って駄作じゃないか?
緊張感がない。全然ドラマチックじゃない。聴き所がなくて盛り上がらない。メロディもフレーズも全然耳に残らない。
各メンバーの演奏も、思いついたフレーズを適当に弾いてる感じ。練られたという感じがなく、無駄に長いだけ。とにかく「長い曲を作ろう」という事だけが前提としてあるのか。長ければなんでもいいのか。
退屈。
何度も聴いたけど、どんな曲があったか、さっぱり思い出せないほど、印象に残らないものばかり。
『こわれもの』『危機』のあの素晴らしさはどこへ行ってしまったの?という感じ。搾りかすにもなってない。『危機』から1年しかたってないし、メンバーもほぼ同じなのに、どうしてこうも変わっちゃうかなあ。全然魅力が感じられない。
このアルバムの出来や方向性に不満を持ったリック・ウェイクマンが辞めちゃうわけだけど、それも納得できるよなあ。これらをライヴで再現するのは苦行だと思う。
このアルバムの唯一良い点と言えば、印象に残る曲がないから、何度聴いても新鮮に聴こえる、という点だけだな。
とにかくガッカリだった。イエスって、この程度のものだったの?この後のアルバムを聴くのが、非常に不安になってきた。