先日、映画を観に行ったら、本編前に、『イニシエーション・ラブ』の宣伝が流れて。
「最後の5分全てが覆る」
「あなたは必ず2回観る」
「150万人が騙されたラブストーリー」
という宣伝文句にやられて。
僕はどんでん返しものに弱くて、本でも映画でも、観終わった後に、あれはどういう事だったんだ?と、2回3回と読み返したり観返したりして伏線を確認したくなってしまう作品が大好きだ。
よって、この映画の宣伝文句には即座に心惹かれたし、監督も堤幸彦だし、松田翔太と前田敦子が主演だし、もう観るしかないだろう、と。
5月23日に公開されたばかりで、早速観に行ってきた。
が、しかし。
ガッカリした。
だって僕、映画のオチを見破ってしまったんだもの。
始まって10分くらいで、もしかしたら、こういうオチなのかなあ、と思いついたんだけど、まさかそんな単純なトリックなわけないよなあ、と思いながら観てた。
でも、僕の立てた仮説に反する事無くストーリーは進み、すべて辻褄が合う。
そして、最後の5分の展開も、僕が予想してた通りの話の持って行き方で、そのまんま終わってしまった。
ああ、やっぱりか、と。
映画は面白かったよ。
だけどさあ、僕としては、どんなどんでん返しを見せてくれるんだろうと、騙される事を期待して観に行った訳だから、そのオチをあっけなく見破ってしまった事にガッカリしてしまった。
なんていうか、やっぱり、ヒントを出し過ぎてたと思う。
映画マニアでもなんでもない僕が見破れちゃうくらいだもの。
初めの10分を観ただけで、あれ、おかしいな、って思ったんだよね。このおかしさはこういう事か?って気付いてしまった。
伏線と言うより、ヒントであって、ヒントと言うより、答えそのものだった気がする。
ああ、こういう風に観客をミス・リードしたいんだろうな、ってのが伝わってきてしまって、それがわかれば、オチまで簡単に見抜けてしまう。
ホントに観客を騙すつもりだったら、いらないシーンが多すぎた。
もっと不親切で良かったと思う。
「150万人が騙された」とあるけど、僕は騙されなかったし、「あなたは必ず2回観る」との事だけど、僕は1回だけで大丈夫だった。
誤解のないように言っておくけど、映画は面白かったんだよ。
だけどねえ、オチが予想通りだったというのが、期待に反してて。
オチを見抜けたぞ、僕は凄いだろ、と喜ぶ気にはなれず、どんでん返しを期待してたのに、僕には予定調和になってしまったので、肩透かし、残念との思いの方が強く。
これを観た他の人の意見はどうなんだろう。
みんな、騙されたのかなあ。
それとも、多くの人がオチを見抜けたのかなあ。
この作品には原作がある。
オチに至るまでの設定を考えると、文章と映像では、描写の仕方はかなり違うと思う。というか、同じというのは不可能な話。
原作ではどんな騙し方をするのだろうか。
原作を是非読んでみたいと思う。
それにしても、最近、映画を観に行く事にハマッている。
映画なんて余程観たいと思ったものしか観なかったため、数年に1度くらいのペースでしか観てなかったけど、ここ1ヶ月で3本も観に行ってしまった。
夜の9時過ぎからの回を観に行ってるんだよね。
レイトショーだと割引になるし、仕事帰りに行けるし、なんと言っても空いている。お客さん10人くらいしかいないんだよね。混んだ映画館が超苦手な僕にとっては何よりな環境。
しばらく待っていれば、レンタルDVDで100円で観れてしまう世の中だけど、映画には映画の魅力がある。
映画を観るというのはイベントだし、家でDVD観るよりも、確実に思い出に残ると思う。
こんな感じで映画を観に行けるのが気に入ってしまって、これからも観たい映画が控えている。
ちょっと楽しみが増えた。