藤岡みなみのお蔭で「nerve」に出会い、それが収録されたアルバム『IDOL is DEAD』は愛聴盤になったのだけれど、その時点でBiSは解散してたし、それ以上深入りする気にはならなかった。もう終わってるグループだから、今さら慌てて追いかける必要もないな、と。
それが昨年、まさかの再始動で、でもプー・ルイ以外は新メンバーで、それって、再結成とも違うよなあ、と、まあ、プー・ルイ以外のメンバー1人も知らない僕でもそう思って、ちょっと引いた感じで見てた。
でも、再始動後の活動の激しさったらない。楽曲をガンガン制作、発表するし、ライヴもやるし。マニアの間では盛り上がってるだろうなあと思いつつ、静観するつもりでいたんだ。
だけど、ふと、「gives」という曲を試聴してみたら。
これが、激しくも切ない、まさに神曲。
「nerve」に匹敵する熱さだ。
どうやら丁度NEWアルバムがリリースされたばかりで、親切にも、ネット上では全ての楽曲を試聴できるようになっていて、ひととおり聴いてみたら、割といい感じの曲もあって、でもそれよりも何よりも、「gives」1曲のためだけでもお金払って損はない!と感じて、ついNEWアルバムをポチッといってしまったのだった。
普通のアイドルとは違う、危険な香りのするBiSに深入りしてしまうのは怖かったのだけれど。
1曲目「gives」。
この神曲を1曲目に持ってくるなんて。ギターのカッティングがAメロから期待を漂わせ、Bメロからはググッとスピード感が増す。お腹に響き渡るベースと美しいピアノががものすごくカッコいい。勢いを保ったまま放出される熱くて切ないサビも完璧。「nerve」に匹敵するBiSの代表曲が誕生した。この1曲を生み出しただけでも、BiSの再始動は正解だったと言える。
2曲目「twisted grunge」。
前曲からはちょっとクール・ダウンかと思わせる前半だが、すぐに歪んだギターが聴こえてきて、まだまだ体は火照ったままの力強いサウンド。「♪はろーはろー」というサビはシンプルでキャッチー。
3曲目「ミステリアスホール」。
ここからさらに激しいヘヴィメタ・サウンド。BABYMETALにも負けてはいないぞ。ていうか、こういうサウンドをアイドルに取り入れたのはBABYMETALよりBiSの方が早い。ま、個人的には、こういう曲が続くと疲れちゃうけどね。
4曲目「SAY YES」。
明るいパンク・ロックというか、ちょっとコミカルな面もある。タイトル通りにとにかくポジティヴ。
5曲目「Never Starting Song」。
今度はスカ・サウンド。ホーンも活きている。この4~5曲目の流れを聴いてたら、ふと全盛期のモーニング娘。を思い出したな。サビの「♪一人で漫画でも読んじゃお」のメロディが可愛いし、ピタッとハマったオチみたいで腑に落ちる。
6曲目「NOT the END」。
アルバム中盤の聴き所はコレ。前半、ベースが引っ張るスピード感は「gives」みたい。サビの「♪ 呆れちゃうわ 良く言うよね 一体どの口がほざいてるんだか」はとても切なくも愛しいメロディで、「ほざいてるんだか!」はついつい一緒に力入れて歌いたくなる。
7曲目「ぎぶみあちょこれいと」。
タイトルを見ると、やっぱりBABYMETALを意識してるようにも思えるんだけど。激しいヘヴィメタ・サウンドだし。やっぱ疲れる(笑)。
8曲目「ロミオの心臓」。
これは意外や、胸キュン・ソングだ。ハードなギターも聴こえるけど、基本ポップなので疲れないのもいい。どことなく奥ゆかしさがあって大好き。
9曲目「明日が来るなら」。
ツイン・ドラムの様にも聴こえる、バタバタとしたリズムが何故か心地良い。X JAPANを思い出したよ(笑)。辛い現状の中に、希望の光が見えてくるようなイメージなのも好感。
10曲目「NAKODUB」。
サビのスピード感あるリズムに「♪ 何回言えばわかるかな?」の可愛くてキャッチーなメロディが乗ってる、これまた神曲と言っていい素晴らしさ。「primal.」に匹敵するね。ああ、このままずっと聴いていたい、終わってほしくないと思わせる所がラストに相応しい曲だ。
まずは全曲作曲しているサウンド・プロデューサーの松隈ケンタの才能に驚愕。
それから、全曲ではないけれど、作詞を4人のメンバーが担当していて、プー・ルイはともかく、急遽集められたようなメンバーなのに、各自作詞の才能まであったなんて事にも驚く。こういう風に、楽曲作りにメンバーを参加させる所はいいよね。「曲作りはスタッフに任せろ。アイドルは歌うだけでいいんだ」なんていう空気はあまり好きじゃないから。
とにかくハードな曲でもポップな曲でも熱いものが多くて、これはライヴは盛り上がりそうだな、という気配がヒシヒシと伝わってくる。
ハマるのが恐かったBiSだけれど、これだけいい曲を作った来られたら脱帽せざるを得ない。
今では大ファンだし、ひとりでも多くの人にBiSの素晴らしさを知ってほしいと思っている。
あー、でも僕もまだメンバー憶えてないんだけど(笑)。
VIDEO
↑ 「gives」。
この神曲を1曲目に持ってくるなんて。ギターのカッティングがAメロから期待を漂わせ、Bメロからはググッとスピード感が増す。お腹に響き渡るベースと美しいピアノががものすごくカッコいい。勢いを保ったまま放出される熱くて切ないサビも完璧。「nerve」に匹敵するBiSの代表曲が誕生した。この1曲を生み出しただけでも、BiSの再始動は正解だったと言える。
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