好きなアーティストのガイド本に目がない僕にとっては、これで何冊目だろう?と思いつつも、また新しくポール・マッカートニーのガイド本が出るとなっては、黙って見過ごすわけにはいきません。
かと言って、無条件で買うという訳でもないのです。
やはり、中身が大事。
なにせ、『CROSSBEAT Special Edition』シリーズですから、信頼はできるものの、以前にもこのシリーズのポールの本は出ているので、もしかしたら、今回の来日に合わせての改訂版みたいなやつで、中身は前に出たものと変わらないのでは?という不安もあったからです。それだったら、いらない。
また、前に出たものと違っていたとしても、僕の好きなアルバム・ガイドがなくて、単なるインタビュー集みたいなものだったとしたら、これまたいらない。
だから、中身を確認してからでないと買えないのでした。
問題は、どこで中身を確認できるか、です。ネットでは買えません。
はたして、近所の本屋に置いてあるのか。
以前、『CROSSBEAT Special Edition』シリーズは何冊か入荷してた事があったので、天下のポール・マッカートニーの本ならば、入荷するのでは?と思いました。
しかし、実は最近、その本屋は在庫整理をしていて、たとえばビートルズの『CROSSBEAT Special Edition』シリーズの本とか、音楽関係の本を何冊も処分(返品か)していたのです。
これはもしかしたら、今後は音楽関係の本はあまり仕入れないぞ、という意思表示なのではないか?と思えたのです。
なので、これはどうなるかわかりません。
発売日当日となった今日、期待と不安で、仕事帰りに本屋に立ち寄りました。
が、やっぱり、嫌な予感の方が的中し、その本屋には入荷してませんでした。
こうなったら、隣町まで行くしかありません。
以前、『レコスケくん』の時に学習した通り、狙い目は本屋ではなく、CDショップです。
隣町のショッピング・モールのHMVにならあるのではないか?と狙いを定めて行った所、やはりありました。しかも4冊も入荷してました。ホッと一安心です。
まあ、もしここにもなかったとしても、たぶんライヴに行った時に東京ドームの本屋さんにたくさん置いてあるだろうから大丈夫かな、という保険はあったんですけどね。
さて、肝心の中身の確認。
まず、僕の好きなアルバム・ガイド。載ってました。
そして、これが今回の本の肝だと思うのですが、『ポール・マッカートニー ソロ・ワークス』というその名の通り、「ソロ」の活動に焦点をあてたもので、なんとウイングス時代は載ってないのです。
こういう本は珍しいのではないでしょうか。
ポールのソロと言ったら、ビートルズ解散後すべてを指すもので、ウイングスも含まれているのが当然と言った感じでしたので、これは新鮮というかなんというか。
それでも、今回のアルバム・ガイドは読み応え充分そうで、ひとつのアルバムにつき3人のライターによるアルバム評が載っているのです。さらに、【アーカイヴ・コレクション】としてリマスターされてデラックス・エディションが出たアルバムはさらにもう1人のライターによる解説があるので、最大4人のライターによるアルバム評が載っているのです。
それも、以前出た『CROSSBEAT Special Edition』シリーズの文章の使い回しではなく、最新の文章の様です。
まだ詳しくは読んでませんが、1つのアルバムにつき4人ものライターによる評があるとなると、これは人によって評価が分かれてたり、意見の違いもあったりして、結構面白そうだなあ、と思うのです。
ウイングスのアルバムはないけれど、ソロのアルバムなら何でも載っているので、ライヴ盤も同格に扱っているし、その他、変名で出したやつとか、クラシック的なアルバムについても載っているので、かなり読み応えがありそうです。
(でもでも、ウイングスが好きな僕にとっては、ちょっとやっぱり寂しい感じはしましたけどね)。
アルバム・ガイドの他には、ポール本人のインタビューはもちろん、エリック・スチュワートや息子ジェイムズのインタビューなんかも載っているのが面白いなと思いました。
とにかく、この様な内容なら、充分「買い」だと判断して、即座にレジに持って行きました。
ひとつひとつのアルバムについてじっくり聴きながら読みながら、楽しみたいので、ライヴまでにすべて読み終えるのは不可能な気がするのですが、確実に気分は盛り上がっていく事でしょう。
ポールの絶頂期のビートルズとウイングス時代を省くという、新機軸の、ちょっと冒険的な本ではあると思いますが、ポール・ファンなら手に取ってみた方がいいと思います。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●