[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2001年頃に書いた記事です
ロックの金字塔だとか最高傑作だとか、それはもう至る所に書いてあったので、ものすごい期待を持って緊張して聴いたのを憶えてる。襟を正して正座して聴く、みたいな(笑)。
あのカラフルで派手なジャケットを見るだけでワクワクさせられたしね。これにどんな傑作が詰まってるんだろう、って。
長いタイトルも憶えただけでなんだかウキウキ。ゴロがいいじゃん?サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド、って。なんかの呪文のように、何度も口にしたくなるような。
いろんな意味で、ビートルズの完成品だと思う。今まで培ってきた技術の集大成というか。これ以降はバラバラになっていく訳だしね。
飛び抜けていい曲ばかりが揃ってる、という訳でもないんだけどね。
とにかくすごい曲と言ったら「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」くらいで。
たしかにこの曲はすごい。あのオーケストラの昂揚は、初めて聴いた時は怖かったなあ。音がズンズン体の中に迫ってくる感じで。
このアルバムの魔力は、途中で切り上げる事のできない、聴き始めたら最後まで聴き通さないと気分が悪い、そんな所にあるんじゃないかな。
随所に散りばめられたSEも効果的で、アルバム全体を通して1曲、みたいな。それがトータルアルバムと感じる所以でもあるだろうし。
オープニングのざわめきを聴き始めたら最後。
ヘヴィなロック「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の次にはほのぼのリンゴの「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンド」が聴きたくなるし、
その次はどこか寂しげなジョンの声で幻想的な「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」が流れなきゃダメだし、
その次は「ゲッティング・ベター」のギターのカッティングが聴こえてこなきゃ気がすまないし...と、最後まで針をあげる(CDを止める)タイミングがつかめないんだよね。長年聴いてても。
それってやっぱすごいと思う。理由はわからないけれど、やはり何かが存在してるんだと思う。
このアルバム唯一のバラード、家出少女の綺麗な曲「シーズ・リーヴィング・ホーム」の次には、
テーマ・パークのごときこのアルバムを象徴しているとも言える「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」。
テーマ・パークというか、サーカスの曲と言った方がわかりやすいか。
A面がこの曲で終わるんだけど、楽しいというよりも妖しさいっぱい不思議さいっぱいといった感じで、思わず「すげー」と唸らされた。「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」と並んで大好きな曲。
で、レコードをひっくり返すと、今度はジョージの怪しい世界「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」が始まる、という(笑)。
思わず「ポンキッキだ!」と叫んでしまった「ホエン・アイム・シックスティ・フォー」でほのぼのした後は、
メドレーのごとく一気にラストまで突っ走る。
「グッド・モーニング・グッド・モーニング」から「サージェント・ペパーズ(リプライズ)」の流れも最高。
なんなんでしょう、これは。とにかく、つまみ聴きを許さない程の傑作、という事なんですな。きっと。
そして、長年の疑問。このジャケットって、写真?絵?
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