[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2001年頃に書いた記事です
『サージェント』とは違って、ここではとにかく、どんな曲があるのかなあ?と1曲1曲を楽しむのが一番。
真っ白なジャケットそのままに、あまり深い事考えず、といったところか。
2枚組で全30曲というのもボリュームがあって、ワクワクさせられた。実際に、様々なタイプの曲が収められ、ビートルズの魅力を多角的に捉える事ができる。あ、正確に言うと、ビートルズの「各メンバーの魅力」が、か。
レコードにはおまけポスターが付いてた。デカいコラージュ・ポスターに、メンバー一人一人のポートレイト・ポスター。もちろんもったいなくて貼ってませんが(笑)。
ジャケットには限定番号付き(僕のはA423279)。
もちろん名曲多数。大好きな一枚。
ビーチ・ボーイズのパロディ「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」は、初めはどのあたりがパロディなのか、わからなかったけれど(笑)、そんな事を抜きにしても充分楽しめる楽曲。
「グラス・オニオン」はイントロのドラムの♪ ダン!ダン!からしてカッコいいんだけど、どことなく怖い(特にエンディング)。
しかし、その次の「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」の陽気さにホッとさせられたり。
「ワイルド・ハニー・パイ」はとにかく奇妙。
ジョンの「コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロウ・ビル」。
こういうストーリーものというか、童謡的なものはポールの方が得意としてたのだが...。突然現れたヨーコの歌声にはドキッとさせられたものだ。
そしてジョージの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」。
もうタイトルからして名曲よ。ビートルズ時代のジョージの最高傑作はとにかくコレ。なんかね、すごくジョージを表してる曲だと思うんだよね。イントロのピアノ、絡みつくように入ってくるリード・ギター、哀愁漂うジョージのヴォーカル。初めて聴いた時、「もうジョージ、やってくれるじゃん!!」と涙が出たものだった。クラプトンのギターもとにかくカッコいいし。
そしてその後の「ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」。
たくさんの収録曲があるこのアルバムの中で、一番好きなものを問われたらコレをあげるね。うん、「迷わず」コレと言うな。展開もめまぐるしく変わるし、そしてどのパートもカッコいい。後にジョンは撃たれて死んでしまうんだよなあ、と考えると非常に複雑な気にもなるんだけど...そんな複雑な気持ちで聴くのがまた良かったりもして(不謹慎?)。
B面に入ると、優しく軽快な「マーサ・マイ・ディア」、
穏やかな弾き語りの「ブラックバード」、
ヴォーカル・ベースが印象的な「アイ・ウィル」と、
得意のバラードで存在感を示すポール。
そしてそれだけではない。Aメロの歌いっぷりがカッコいい「ロッキー・ラックーン」。
後半の展開がいかにもポール。
ジョンほどドロッとはしてないものの、タイトでヘヴィな「ホワイ・ドント・ウィ・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード」と、ポールの活躍が目立つ。
『リボルバー』の時は眠かったジョンが、今度は疲れはじめた「アイム・ソー・タイヤード」。
今度はけだるいだけではなくて、何故か力強い。よほどキレかかってたのだろう(笑)。
それから、オーシャン・チャイルド(洋子)へ歌った「ジュリア」。
なんか、モヤ~ッとした良さがある(笑)。
C面はハードな曲の連続。
とにかくリフが命の「バースデイ」。
しかし、一番の聴き所は、ジョンのソロパート。「♪ Yes,We're~」の部分は何度聴いてもゾクゾク。
「エヴリボディーズ・ゴット・サムシング・トゥ・ハイド・エクセプト・ミー・アンド・マイ・モンキー」。
長いタイトルを憶えるのは気持ちいい(笑)。狂ったように騒ぐのがマル。
その他にも「ヤー・ブルース」「ヘルター・スケルター」と、ガンガンに攻めてくる。
それ以外では、ジョンのメロディと展開が魅力の「セクシー・セディ」、
春のうららにうたた寝しながら聴いてたらものすごい気持ち良かった(笑)ジョージの「ロング・ロング・ロング」がお気に入り。
D面ではなんと言っても「レヴォリューションNO.9」でしょう。
「アヴァンギャルド」という言葉は、この曲(の存在)で憶えた(笑)。
曲と呼べるかどうかも疑わしいこの作品をどう評価するかは、ファンによっても様々。ちなみに僕は、「割と好き」なのである(笑)。
訳わからない展開、フレーズ、セリフ。はっきり言って怖かったりもするんだけれど、その得体のしれなさに、なにかしら魅力を感じるんだよね。長いし、さすがに繰り返し何度も聴こうとまでは思わないけれど...たまに、ちゃんと通して聴くといいんですよ。なかなか(笑)。
で、緊張して聴いてようやく終わったと思ったら流れてくる「グッド・ナイト」にすごくホッとさせられるのだ。
この落差がいい。「レボ9」と「グッナイ」はセットで聴くべし。
「ハニー・パイ」の懐かしげなメロディ、ポールならでは。
エレクトリック・ピアノとホーンの響きが印象的な「サヴォイ・トラッフル」、
ジョンの曲なんだけど、エンディングにポールがさりげなく付けたメロディがまた良かったりもする「クライ・ベイビー・クライ」...。
とにかくいろんなものが詰まっているホワイト・アルバム。
「永遠の」2枚組。
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