[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2001年頃に書いた記事です
アルバム前半は穏やかで、コミカルな雰囲気も含みつつ(詞の内容は必ずしもそうではないのだが)、サラリと流れる。
僕の好きな、せつない火曜サスペンス的な(笑)まりやが出てくるのは広末涼子へ提供した「とまどい」のイントロが流れるあたりからだ。
中盤「ノスタルジア」ではこれからの季節(秋)にピッタリな寂しい風を感じてしまう。
前向きまりやな曲の中でもお気に入りな「Dream Seeker」が続き、
【キムタクさえもかすむような男をつかまえよう】と歌う「今夜はHearty Party」では、その拓哉本人がVoice&コーラスで参加、シングル発売当時も話題になったのだけれど、アップテンポでありながらせつないメロディをはさみ、かつあたたかい気持ちにさせられるという秀逸な曲。
そして次の「カムフラージュ」への流れは最高。
山下達郎お得意のアカペラコーラスで始まるこの曲は、Aメロがポール・マッカートニーの「死ぬのは奴らだ」のコード進行に極似(笑)、最後に英語で歌い上げる所はカレン・カーペンターに極似(笑)と、僕は別の観点からも楽しんでるのだけれど、まぁなんと言っても最高のサビメロがありますので。多くの人が耳にした事あるでしょうなぁ。このサビが出来上がった瞬間は気持ち良かったろうなぁ。どうよ、このメロディ!って、自信マンマンだったんじゃないかなぁ。
で、こちらが感動してるのも束の間、「Winter Lovers」が追い討ちをかけ、
ラスト1曲前には「天使のため息」が。僕にとってのベストトラックだ。
映画『秘密』のテーマ曲だったんだけど(これまた広末絡み)、できれば、個人的にはこの最高級のせつない曲をラストに持ってきてほしかったかな。ズシーンと、深い余韻にひたれそう。
ただ、まりや本人曰く、「天使のため息」がラストだと重くなりすぎるのでおまけに「A cup of tea」を付けた、との事で...。
という訳で、特に中盤から後半のたたみかけは、一気にというよりもジワジワと、心が満たされていく感じ。
オリジナル・アルバムとしては9年降りというだけあって、非常に中身が濃い。期待を外さないものだった。
昔は「不思議なピーチ・パイ」とか春~夏イメージのまりやだったけど、今はやっぱ秋~冬まりやが最高だなぁ。
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