[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2004年に書いた記事です
用事で、地元の駅ビルへ買い物に。
で、ついでだと思い、滅多に行かないそのデパート内のCDショップへ足を運んでみると、なんと、閉店30%OFFセールを開催中。
新商品と売れ筋アーティストのものくらいしか置いてない(もちろん輸入盤なんてない)小さなショップなので、あまり過度な期待はできないが、何か少しは掘り出し物はないかと色めきたつ。
何しろ30%OFFだもん。
これも欲しくて、Amazonのリストに入れてあったもの。
サザンのライヴDVDの中で、一番選曲が僕好みだったやつ。
欲しかったんだけど、サザンのDVDはいつも高くて、これも定価8000円。だから躊躇...というか、無視せざるをえなかった感じのもの。AmazonでOFFの対象にならないかなあ、とずっと狙ってたやつ。
1998年に静岡・浜名湖渚園で行われたライヴを収録した2枚組DVD。
先に『SUMMER LIVE 2003』を買っていて、こんなに僕好みの選曲のDVDがあれば、もう充分だなと思っていたのだけれど、よくよく考えてみると、まだあの曲もやってない、この曲もやってないじゃん、という事に気付き、ふとこの『1998スーパーライブ in 渚園』の収録曲を調べてみたら、「そうだよ、この曲があるじゃん!」といった感じで、『SUMMER LIVE 2003』では聴けなかった曲たちがゴロゴロしているのが魅力で、俄然欲しくなっていた。
ただ、値段が高いのですぐには手が出せなかった。いつかは手に入れたいなあ、と。
そんな所へ、閉店30%OFFセールで運良くこのDVDを見つけ、即ゲットした、というわけだ。
先日観賞した『SUMMER LIVE 2003』に比べると、まずはオリジナル・メンバー6人全員が揃っているとあって、豪華に映る。
正式にリリースされたライヴ映像としては、この6人が揃うのは最後の姿。
サザンのライヴとしては、夏・屋外というおなじみのシチュエーションで、1曲目から「こんなにも盛り上がるのか」といった様相。
それが逆に、経験した事のない者にとっては、いささか寂しく感じられたり。
DVDの作りとしては、ライヴの途中で、桑田佳祐のインタビューを挟み込むという形で、ちょっと意外。ただ単にライヴ映像を流すだけと思ってたからね。
このインタビューを聴いていると、ライヴの中に、いろんな意味をこめてやっているんだな、という事に気付かされる。ただ曲を並べただけではなく、その曲をやる意味、そのタイミングにその曲がある意味、観客との間に、これからのサザンをどう提示していくか...いろいろ考えてるんだなあ、と。
序盤で一番楽しみにしていた「赤い炎の女」。
桑田さん、ヴォーカルの調子がいまいちなのか、かなりくだけた感じで歌っていて、誤魔化し流し、といった出来にはちょっとガックリ。大好きな曲なのに...むむ。
しかし、段々と乗ってきたのか、前半のハイライトはすぐにやってくる。
「C調言葉に御用心」からメドレー形式で歌われた「思い過ごしも恋のうち」。
なんといっても見どころなのは間奏。桑田さんと大森さんのツイン・リード・ギター、原坊のキーボード連弾、ホーン・セクション。さらには爆笑問題まで。「むむ?原坊、なんか変だぞ!?」と思ったら田中なので。
「CRY 哀 CRY」「COMPUTER CHILDREN」「01MESSENGER」のデジタル・ダークな3曲には、サザンの明るい将来が意図されているという。うーん、ちょっと凡人には理解不能(笑)。
舞台を、センター・ステージ(高台)に移動してのアコースティック・セット3曲「涙のキッス」「栞のテーマ」「いなせなロコモーション」は、爽やかに、いいアクセントになっている。
Disc 2では、最大の山場、怒涛のロック・パレード。
「マチルダBABY」「ミス・ブランニュー・デイ」「匂艶THE NIGHT CLUB」に続き、
『SUMMER LIVE 2003』でも同じ曲順だった「ボディ・スペシャルII」「マンピーのG★SPOT」「勝手にシンドバッド」。
ここはもう一気に観た方がいい。興奮の坩堝。
「勝手にシンドバッド」では、盛り上げるべく、おやじダンサーズ登場。彼らが出てきたのって、この頃だったっけか。
そしてアンコールでは、僕の音楽の原点、「BYE BYE MY LOVE」が。
この曲があったからこそ、このDVDを買う決め手になったようなもんで。
ラストは「旅姿六人衆」。
桑田さんの声が程好くつぶれ、かなりいい感じ。ベスト・ヴォーカル・パフォーマンスはコレでしょう。
最後の最後にきて、こんな熱唱、圧唱(?)を聴かされた日にゃ。
というわけで、選曲の良さでは、『SUMMER LIVE 2003』にヒケをとらない、僕好みの流れ。
5年以上も前のものなので、時代感覚としてはやはりちょっとズレるというか、多少冷静になる部分もあるんだけど、まあ、それはそれとして。
約3時間のライヴなのだけど、またしても一気に観れちゃうから不思議。
6人最後の勇姿(?)を堪能させてもらった。
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[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2004年に書いた記事です
1983年、カナダ公演の模様を収めたライヴDVD。
金髪でチリチリパーマのボウイの姿が印象的。
そう、『レッツ・ダンス』のジャケットに写ってる姿そのままだね。ステージ・アクションにもボクシングのポーズを取り入れている。
先日観た、最新ライヴDVD『リアリティ』でのリラックスした雰囲気に比べたら、こちらは随分と作りこまれたステージとなっている。何人ものダンサーを配し、小芝居を取り入れたそれは、まるでミュージカルの様相。いかにも80年代的SHOWといった感じだ。
若いせいもあるが、ボウイもかなり気合いの入ったステージングを見せている。
そしてビックリした事に、その『リアリティ』ライヴでも、ギターを弾いていたアール・スリックが、20年前のこのステージでもバンド・メンバーの中にいた事!ここでは、キース・リチャーズの様な容貌であり、現在の鮎川誠風とはかなり違うのだが(笑)。
で、このDVD。わざわざ字幕で歌詞の対訳を入れているのにビックリ。
親切というか、いらぬおせっかいというか...(笑)。
肝心の音質なのだが、はっきり言って悪い。
80年代の映像・録音なので仕方ないのかもしれないが、それにしても、とにかく、観客の声がデカイ。終始音楽に客の歓声が被さっていて、うざったい。
というか、あとから歓声を足したかとも思える程、ずっとキャーキャー言っていて、聴いていて疲れてしまう。その点は大きく減点だな。
ただ、セット・リストとしては、なかなか豪華なもの(だから購入したのであるが)。
「ファッション」から「レッツ・ダンス」へのメドレーは、観客がより熱くなるのもわかる。
大好きな「火星の生活」、最近のライヴでは、サビをオクターブ下げて歌っているという話は聞いていたが、実はこの頃からすでにそうだったのね。たしかに、あのサビのシャウトを再現するのはキツかろうけれど。
「チャイナ・ガール」もひとつの見どころ。
腰をクネクネさせて踊るボウイのパフォーマンスが熱い。ある意味面白い(笑)。
この曲から、「ホワイト・ライト・ホワイト・ヒート」に至るまでのアップ・テンポな流れは、このライヴの山場となっている。
「アッシェズ・トゥ・アッシェズ」は、CD音源のような不思議な感覚こそないものの、ライヴならではのビート感があり、なかなかの出来。
他にも、「ヒーローズ」「ゴールデン・イヤーズ」「スペース・オディティ」「ヤング・アメリカンズ」「フェイム」など、ヒット曲のオンパレードだ。
というわけで、『レッツ・ダンス』発表後の、ボウイの勢いが感じられるライヴとなっている。全体的にテンポ良く流れ、映像作品としても飽きさせない仕上がり。
前述した通りの演出は、今観るといささか寒いものもあるが、そこはまあ、80年代ならでは、という事でご容赦。
ボウイのひとつの時代を記録している貴重な映像だ。
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[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2004年に書いた記事です
ボウイ来日を控え、予習の意味をこめて購入。
2002年に出たベスト盤だけれども、持ってない曲もそこそこあったし、なによりAmazonのベスト盤OFFセールで、約2000円で買えてしまったのが魅力。2枚組なのにね。
2002年版リマスターという事で、やっぱ音いいわ。
願わくば、もうちょっとレベル大きくしてほしかったけれど、全体的に柔らかく、奥深いサウンドになってて、聴きやすい。気持ちいい音。
「Moonage Daydream」のエコーの加減は素晴らしいし、「The Jean Genie」のイントロの、ギターとベースの絡みは迫力あって、一瞬で体が熱くなる。
ボウイって、ちゃんと聴く前は、化粧やグラム・ロックというイメージから、なんだか派手でギラギラした音を想像していたんだけれど、初めて『ジギー・スターダスト』を聴いてみた時、「なんてロマンチックな曲を作る人なんだろう」と、即座に偏見が吹っ飛んで、気に入った事を憶えている。
特に初期は、そんなロマンチックで壮大な曲が多い。
「Space oddity」「Changes」「Life on Mars」など。
そう言えば、「The Man who sold the world」は今回初聴きだった。
でも、やはりこれもいかにも初期の作品という感じで気に入った。イントロのリフもカッコいいし。
もちろん、従来のイメージ通りの派手なロックンロールもあったんだけれど、変な偏見が取れた後だから、素直にカッコいいな、と思えて。
「Suffragette City」等のスピード感、いつ聴いてもすげーカッコいい。
「All The Young Dudes」は、モット・ザ・フープル版は持っていたけれど、ボウイ版をちゃんと聴くのは初めてかも。
これも大好きな曲だったから、今回こうしてボウイ版を手に入れられた事は収穫だった。
それから、「Ashes To Ashes」の不思議な感覚。
これもいつまでも飽きない名曲だ。ボウイの曲の中では一番好き、と言えるかもな。
だから、最近のボウイが、この頃に似た感じの曲を作ってくれてるのがとても嬉しい。
『レッツ・ダンス』以降のボウイはパッとしない、なんて言われてるけど、なかなかどうして。
「♪ シャララララ~」と大人のロマンを感じさせる「This is Not America」や、
「♪ パッパッパウ~」と、どこかコミカルな味付けながらも感動的な「Absolute Beginners」など、好きな曲は多い。
たしかに、Disc 2後半の、80年代後半から90年代のものは、「迷走」と思われるようなものもなくはないんだけれど、それは、ボウイ特有の実験感覚、先行き感に、時代がついて来なかっただけ。
今こうして聴いてみると(今回初聴き)、「スキップしちゃえ」と思えるものがほとんどなかった事にビックリ。
特に「Time Will Crawl」なんかは、アレンジに、いかにも80年代という音が含まれているけれど、ボウイらしい切迫感があって、すごくカッコいい。僕はすぐに気に入ったよ。
そして、現在のボウイ。
渋い魅力に溢れたミドル・テンポの「Slow Burn」は、「Ashes To Ashes」と同じような匂いがして、以前から好きだったけれど、こういう流れで聴いてみると、見事にその着地点を見いだしているといった感がする。
このベスト盤を見事に締めくくってくれていて、改めて、素晴らしい曲だと思う。
ここに収録のものは、ラジオ・エディット・ヴァージョンとの事で、僕が持っていた『ヒーザン』のアルバム・ヴァージョンとはかなり違った。イントロの長さからして違うし、当然ギターのフレーズも違う。となると、全体的に違って聴こえてきて、とても新鮮だった。
こういった最近のボウイの曲は、もっと多くの人に聴いて欲しいんだよなあ。
このベスト盤、各国で収録曲が違ってて(マニアは全部集めたくなるのだろうか?)。
それぞれの盤に長所・短所があったりする。
ただ、肝心の日本盤は2枚組ではなく、1枚もの。故に、発売当初、僕の購入意欲はなかったわけ。全曲持ってたし。
でも、2枚組となると、グッと魅力が増す。
こうして、1枚ものの日本盤よりも安く、2枚組のUS盤が買えちゃうんだものなあ。つくづくありがたいと言うか、日本盤の魅力のなさが浮きぼりになると言うか...。
このUS盤は、各年代、各アルバムのものが比較的「まんべんなく」並べられている。
多くても『ジギー・スターダスト』『スケアリー・モンスターズ』『レッツ・ダンス』からの3曲が最高で、他は、なるべくいろんなアルバムから1~2曲ずつ選ばれている感じ(もちろん、シングルのみの作品もある)。
ティン・マシーン時代の曲まであるしね。
長いボウイの歴史をある程度まとめるには妥当な、納得できる選曲と言えるかな。
まあ、UK盤には収録の「John I'm only dancing」「Wild is the wind」、日本盤には収録の「レディ・スターダスト」あたりが入ってない事が、個人的には特に残念だけれど...そんな事を言ってたらキリがないしね。
という訳で、2枚組・全38曲が、この音・この値段で楽しめちゃうんだから、当然買って満足、の作品。
来週のライヴの予習には、このベスト盤と、近作『ヒーザン』『リアリティ』あたりがあれば、ある程度はカバーできそう。
それまで充分聴きこもうじゃないか。
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[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2004年に書いた記事です
先日も話題にした、閉店間近のCDショップ。
なんと、今日から【50%OFFセール】を始めやがった!!
新聞の折込にチラシが入り、そのニュースを知って驚愕。
先週、30%OFFの時に、欲しいものはあらかた買ったけれども、50%OFFとなれば、また話は別。
「半額なら買ってもいいかも」というものがあるはず。
とりあえず、競馬終了後、ショップへ足を運んでみた。
1週間も前から30%OFFセールをやってたので、ある程度のものは売れちゃってるだろうなと思ったら、なんのなんの、先週来た時とあまり変わらないくらい在庫がある。
「30%OFFでも売れないから50%OFFにしたんだろか...。」
いくらCD不況とは言え、30%OFF、50%OFFでも手を出さないなんてどうかしてるぞ。
みんな音楽に興味ないのか。
さすが田舎だ...。
さて、捜索開始。
あらためて店内を見回してみると、結構あるんだよね、いいブツが。
あのバンドの名盤も、あのアーティストのベスト盤も、みんな半額だよ!?
大まかに言えば、邦楽なら1500円、洋楽なら1200円で買えてしまうわけだ。
元々安値で売ってる、名盤シリーズなんか、1000円でおつりが来るんだから。
Amazonの輸入盤1000円セールよりも安い。
こっちはすべて国内盤だしね。
「うわっ、これも半額で買えちゃうのかよ!」というもの、たくさんあった。
見る人が見れば、よだれを垂らして喜ぶはず。
でも、残念ながら(?)、僕が興味あるアーティストのCDは、既に持ってるものばかりなんだよなあ。
実は、ビーチ・ボーイズのベスト盤も迷ったのだが、持ってない曲は1曲だけだし...という事で我慢。
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先日、買わずに我慢したのだが、結局買いに行ってしまった。
そう、【50%OFFセール】のあの店ね。
狙う気持ちがあるのなら、おさえとけ。今買わないと後悔するよ、ってなもんで。
で、結局購入してしまった、ビーチ・ボーイズのベスト盤。
この作品、まず、ジャケットが素晴らしい。青く澄んだ空と海。砂浜で砂遊びをする無垢な子供。これだけで、見事にビーチ・ボーイズの世界を表現できている。
そして、PLAYボタンを押してみると...これはジャケットの魔力なのか?、「サーファー・ガール」「イン・マイ・ルーム」「ドント・ウォーリー・ベイビー」「太陽あびて」など、すごく澄んだ素晴らしい音に聴こえる。
「こ、こんなにいい音だったっけ??」
各曲の最新リマスター盤は既に持っているはずなのに、何故か初めて触れる新鮮な空気を感じる。
それから、この作品が他のベスト盤と違うのは、ブライアン・ウィルソンが選曲にあたった、という事だろう。
レコード会社の選曲では、およそ【ビーチ・ボーイズの20曲】の中には選ばれないであろう「ビジー・ドゥーイン・ナッシン」「ウィアー・トゥゲザー・アゲイン」「タイム・トゥ・ゲット・アローン」など、隠れた名曲(もちろん、大ファンの方にとっては、隠れたものなどではないが)がセレクトされている事。
もちろん、ブライアン自身、『もし明日言われたら、違う曲を選ぶかもしれない』と言っているように、これはたまたまセレクトした2002年2月11日付けのリスト、という事なのだが、ありきたりの選曲ではない、こういった、ニヤリとさせられる曲が含まれてるというのも、ファン心理をくすぐるものである。
その心理の前には、「あの曲が入ってないじゃないか」等という不満の念は、微塵も浮かんでこないから不思議だ。
ブライアンは、各曲に対してコメントを添えているのだが、面白いのは、「ワンダフル」に対するコメント。
『ハッピーで美しく、陽気にさせる曲だ』
この曲、ハッピーか?聴いて陽気になれるか?
もちろん、美しくていい曲で、好きではあるんだけど...ハッピー...かなあ...うーーん。
ブライアンの感じる事はわからん。
また、「カリフォルニア・ガールズ」は『エンドレス・ハーモニー』収録のステレオ・ヴァージョン、「英雄と悪漢」は『ホーソーン、カリフォルニア -伝説が生まれた場所』収録のステレオ・ヴァージョンと、比較的レアな音源を使用しているのも通好みというか、小技が効いている。
そして、僕がこの作品を購入した理由...唯一持ってなかった「カリフォルニア・フィーリン」の存在だ。
この曲は以前ビーチ・ボーイズで録音されたものの、未発表のまま終わったもので、2002年に、ブライアンが新たに自身のバンドと共にレコーディングした新曲。
この流れで聴いてきて、突然、現在のブライアンのダミ声が現れる、というのはアレだが、まあ、それはいたし方ないとして、曲調やサウンドは、このベスト盤の雰囲気を損なうものではなく、ビーチ・ボーイズの曲としてすんなり入って来る。
ゆったりとして爽やか、そしてほんのりせつない、このジャケットの印象そのままの佳曲だ。
「♪ Ba Ba Ba Ba...」のラインには、特にハッとさせられる。
というわけで、このベスト盤、ベストと言っても、ビーチ・ボーイズの数ある名曲のうち、それはそれはほんの一部を並べたものにすぎない。
けれど、そこには、ビーチ・ボーイズの魅力のすべてが詰まっていると言っても過言ではない。
僕は「カリフォルニア・フィーリン」目当ての購入だったけれども、こうやって通して聴いてみると、得られたものはそれだけではなく、一本スジが通った、いいベスト盤だったと、心から思えた。
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[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2004年に書いた記事です
さて、実際にジョージのBOXセットを聴いてみようシリーズ。
どういう順番で聴こうか...やっぱり年代順?とか考えてたのだが、まずはコレ。
この作品は、旧盤を持ってはいたのだが、今回はSACDという事で、どの程度音が変わったのかが気になったため、まずはこの盤から聴いてみよう、と。
といっても、僕はSACDプレイヤーは持ってないので、ハイブリッド収録の、通常ステレオ・ヴァージョンしか聴けないけどね。
一聴して、グッと音が良くなったとわかる程ではないのだが、全体的にマイルドな音になった感じ。
そう思って旧盤を聴き返してみると、高音がややキンキンして聴こえるかもしれない。
それが、今回は落ち着いた感じになっているし、各楽器の音量バランスにも手が加えられ、ハッキリ分離して聴き取れるし、臨場感も増している。
普通のCDヴァージョンで聴いてもこれだから、SACDで聴いたら、さぞいい音なんだろうなあ。
そしてこの盤、5.1chサラウンドのSACD対応のため、実はミックスし直してあるとの事で。
だから、リマスターどころか、リミックス盤らしい。あまり大きく語られてないけど。
だから、実はいろんな所に違いがある。
たとえば、「Something」。
この曲は、イントロがギター・ソロから入るのだが、その部分では、観客は何の曲やらわからず、反応イマイチ。そこへ、本来の「Something」のイントロ・フレーズが弾かれて、観客が理解し大歓声...というのが、旧盤の形だった。
しかし今回は、イントロのギター・ソロが始まった時点で、観客が歓声を上げる形になっている。そのため、通常のイントロ・フレーズが弾かれた時の大歓声はナシ。
うーん、これは...。
実際にライヴを観た者の感覚としては、前者が正しい反応なんだけどね。見事に、歓声が処理されちゃっている。
他にも、「Cheer Down」の曲前のMCがカットされていたりと、ちょいちょい手直しされているのだ。
僕が確認できただけでも、これだけあるのだから、マニアが聴けばわかるであろう、リミックスされた結果の「違い」はもっとたくさんあるのだろう。
となると、廃盤状態の時に高値で取り引きされていた旧盤、今回の再発で価値を落としたと思いきや、実は細かな違いのあるレア盤という事で、逆に値を上げるかもしれないね。
まあ、この作品の内容そのものは改めて言うまでもなく。
とにかく、ジョージの代表曲のオン・パレードといった感じで、クラプトンらと共に、リラックスした演奏を聴かせてくれる。
ただ...実際にライヴを経験してしまった僕からすると、「実際のライヴの感動はこんなもんじゃなかった」という思いがあるからか、旧盤は、それほど聴き込まなかった(聴き込めなかった?)んだよね。
今回も、多少は音が良くなったとはいえ、印象度としては同じ。
僕にとっては「何度も聴き込むぞ!」というものではなくて、【あの時の良き思い出】として残しておきたい作品、なのである。
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