05年リリースのアルバム。
2000年代唯一のスタジオ・アルバムで、今のところ最新のアルバム。
あまり期待されなかったのが逆に良かったのか、蓋を開けてみればなかなかの内容になっていて、ファンや評論家にも高評価を得たらしい。
なので、非常に期待を持って聴いてみた。
1曲目「Rough Justice」。
70年代黄金期のような、自信にみなぎったパワフルなロック・ナンバー。大きな風に吹かれているようだ。
2曲目「Let Me Down Slow」。
こちらもアップ・テンポながら、どことなく爽やかで。「Don’t Stop」とか「One More Shot」とかのノリ。ご機嫌なドライヴ・ソング。
3曲目「It Won’t Take Long」。
重たく骨太なサウンド。
4曲目「Rain Fall Down」。
これは試聴した瞬間一目惚れで、このアルバムを買おうと決心できた曲。雨が降ってるかのごとくテロテロと鳴る高音のギター・サウンドが心地良い響き。
5曲目「Streets Of Love」。
50周年ベスト盤にも収録されてたバラード曲。バラードと言っても意外と厚みのあるサウンド。
6曲目「Back Of My Hand」。
どブルース。僕の苦手なブルース。だけど、こういう曲があるからストーンズらしいと思えるわけで。
7曲目「She Saw Me Coming」。
タイトルを連呼するフレーズがキャッチーで憶えやすく、耳に残る。単純な曲ではあるけれど。
8曲目「Biggest Mistake」。
イントロの高音のコーラスが印象的。マイルドで優しい曲。
9曲目「This Place Is Empty」。
キースがしわがれた声で歌うのが印象的。
10曲目「Oh No, Not You Again」。
非常に勢いがある。若いバンドの曲みたい。サビのメロディもわかりやすくてノリやすい。
11曲目「Dangerous Beauty」。
これもヘヴィなサウンド。ちょっと退屈かな?
12曲目「Laugh, I Nearly Died」。
ちょっと翳りのあるメロディ。でも厚みのあるサウンドのためか、あまり寂しさは感じられない。
13曲目「Sweet Neo Con」。
メロディ的にもミックのヴォーカル的にも粘っこくクセのある感じ。これもストーンズの魅力のひとつか。
14曲目「Look What The Cat Dragged In」。
非常にキレのあるギター・サウンドがカッコいい。
15曲目「Driving Too Fast」。
アルバム終盤のハイライトはこれかな。タイトなリズムにラフなヴォーカルが独特のノリの良さを引き出している。サビのわかりやすさにテンションも上がる。
16曲目「Infamy」。
アルバムのラストはキースのヴォーカル曲。正直、何故これが最後の曲なんだと思うほど、どうって事ない感じかな。
2000年代のストーンズも進化していたという感じで、今までの集大成のような骨太のロック・アルバム。60歳を過ぎても、こんな若々しくパワフルなアルバムを作れるんだと嬉しくなってしまう。
が、うーん、まあでも、期待が大きかった分、そうでもなかったかなという気もしちゃった。
ひとつひとつはいい曲だなと思うんだけれども、アルバム全体で考えると、何度も繰り返して聴きたいとはあまり思えなかった。
決して悪くはないよ。平均点は高いと思う。ストーンズが好きなら、決して聴いて損はしない。だけど何故だろう、この感じ。強烈に惹かれるものがなかったという事なのかなあ。
でも、これだけのものを作れるのだったら、さらにアルバム2、3枚作れちゃいそうな勢いを感じるのだが、このアルバムから早くも10年近くたってしまう。このままアルバム作る気はないのだろうか。これが最後のアルバムとならない事を願う。
↑ 「Rain Fall Down」。
これは試聴した瞬間一目惚れで、このアルバムを買おうと決心できた曲。雨が降ってるかのごとくテロテロと鳴る高音のギター・サウンドが心地良い響き。