04年リリースのライヴ盤。
このライヴ盤はTSUTAYAのレンタルにもあったんだけれど、リリース当時のCCCDだった。これじゃあ借りられん。
というわけで諦めてたんだけど、収録曲をよく見たら、「Can’t You Hear Me Knocking」が入ってるではないか。これは聴きたい。その他の収録曲も結構魅力的。
よく調べてみたら、09年にちゃんとしたCDで再発されてる事を知り、2枚組で1500円ならば安いと思い購入。
Disc1には代表曲をズラッと並べていて、逆にDisc2にはライヴではレアな通好みの曲を並べている所がこの作品のポイント。
Disc1
1曲目「Brown Sugar」。
イントロのギターの音がモコモコしててイマイチ歯切れが悪い。ちゃんとしてくれよキース(笑)。でもこれ、短縮版なのかなあ、後半の「♪イエーイエーフゥ~ッ」のパートに入るのが早すぎると思う。編集してあるのかしら。まだ充分盛り上がってないのにそれやっちゃう?みたいな。ちょっと物足りない。
2曲目「Street Fighting Man」。
これはアコギ中心のスタジオ版で聴いた時はイマイチだと思ってたけど、だんだん好きになってきた曲。エレキでガンガンに攻めるライヴ・ヴァージョンで映える曲だな。
3曲目「Paint It, Black」。
先日東京ドームで聴いたアレンジは、テンポが遅くてノレなくて不満だったんだけど、このヴァージョンはテンポが速く、サビでのスピード感も良くて完璧。これは気に入った。
4曲目「You Can’t Always Get What You Want」。
これはあまり好きではない曲なんだけど、このヴァージョンはなかなか好き。ロニーがいいギター弾いてると思った。
7曲目「Angie」。
キースの弾くアコギの音があまり繊細とは言えず、野太くラフな感じ。でもそれもまた味かな。
8曲目「Honky Tonk Women」。
途中から女性ヴォーカルが入ってくるのでビックリ。でも、リサ・フィッシャーの声とは違うよなあなんて思ってたら、シェリル・クロウだって。豪華なゲストだね。キースのギター・ソロが良かった。
9曲目「Happy」。
キースの代表曲。ロニーの弾くスティール・ギターが大活躍で、ミックがいなくてもここまで聴かせる事ができるバンドなんだなと実感。
10曲目「Gimme Shelter」。
とにかく大好きな曲なので、このライヴ盤にも収録されてるのは嬉しい。キースのギター・ソロに酔いしれた直後のリサ・フィッシャーの圧巻のヴォーカルは何度聴いても素晴らしい。このヴァージョンでは、アコギの音が地味ながらも欠かせないアクセントになってるんだけど、これってロニーの演奏??でもよく聴くとギターの音は3本聴こえる。誰が弾いてるんだ?オーバーダビングかなあ。
Disc2
1曲目「Neighbours」。
スタジオ盤ではパンクみたいなノリだったけど、ここでのアレンジはオールド・ロックンロールみたいな感じで。荒っぽい演奏が魅力。間奏のサックスも良い。
2曲目「Monkey Man」。
アルバム『Let It Bleed』の中でも大好きな曲だったけど、地味な曲だと思ってたから、まさか30年以上たってからライヴで取り上げられるとは思わなかったなあ。素直に嬉しい。やはり隠れた名曲だったという事なんだろう。唸るキースのギターに間奏のピアノの音色が切ない。
3曲目「Rocks Off」。
通好みの曲を集めたDisc2の中でも、この曲だけはベスト盤にも入るような有名曲だから、ちょっと雰囲気違うかも。でも意外とライヴでは演ってないみたいだから、レア曲という意味ではコンセプトには合ってるのかな。ミックは1番のサビをオクターヴ低くして歌ってたので、え、手抜き歌唱?と一瞬ガッカリしたけど、2番からはちゃんとシャウトしてくれててホッとした。それからスタジオ盤ではホーン・セクションの煽りが盛り上げに一役買ってるんだけど、このヴァージョンではホーン・セクションの音が小さくてあまり目立ってない。このミックスには不満。
4曲目「Can’t You Hear Me Knocking」。
なんといっても一番聴くのが楽しみだったのがこの曲。前半のテンション高いミックのヴォーカルに、キースとロニーのギターが見事に絡みつく様がいい。コーラス隊もいい仕事。そして後半のインスト・パート。サックス・ソロの後にハーモニカ・ソロが入るのがスタジオ盤と違う所か。そしてその後にギター・ソロ。やっぱりオリジナルのミック・テイラーのギター・ソロとロニーのギターでは違うなあ。ロニーのギターも悪くはない。なかなかいい雰囲気出してたけど...やっぱりミック・テイラーのギターが聴きたかった!って思っちゃう。それでも、スタジオ盤より3分も長い10分間の演奏は圧巻。
5曲目「That’s How Strong My Love Is」。
ソウルな曲。カヴァー曲なのかな。ストーンズも初期のアルバムで取り上げてたから、随分前からのレパートリーなんだろう。
6曲目「The Nearness Of You」。
キースのヴォーカルによるバラード。これも知らなかった曲で、カヴァー曲なのかな。でも、ストーンズのアルバムにこういうキースの曲あったんじゃなかったっけと錯覚してしまうほど。
8曲目「When The Whip Comes Down」。
このDiscの中盤以降は地味でゆったりした感じの曲が多いから、この曲のような派手なスピード・ナンバーがあるといいアクセントになるね。ダラけずにすむ。
9曲目「Rock Me, Baby」。
ブルースにずっぽり。B.B.キングのカヴァーだとか。
10曲目「You Don’t Have To Mean It」。
キースのレゲエ曲。トロピカルでリラックスできる雰囲気。
11曲目「Worried About You」。
ミックのファルセット全開のヴォーカル。この曲歌うの疲れそう...。
12曲目「Everybody Needs Somebody To Love」。
ソロモン・バークのカヴァー曲。本人とのデュエットで。熱い。
Disc1はとにかく豪華なセットリスト。代表曲のみが並べられた構成は息つく暇ない感じで一気に聴けてしまう。11曲中10曲が先日の東京ドームでも聴いた曲だし思い入れもある。正直、聴く前は、またこの曲か、聴き飽きたかもなあなんて思ってたけど、通して聴いてみたらすごい良くてビックリ。濃密であっという間の50分。
Disc2は、個人的には大好きな曲が並んだ2~4曲目の流れが最高。それがすべてと言っても過言ではないな。この3曲があるからこの作品の価値がグッと上がってる。それ以降の中盤~後半は、うーん、とりたてて好きな曲はないので...カヴァー曲も多いし。でも、ストーンズのライヴの熱は充分に伝わってくるから、退屈には感じないけどね。
Disc1に代表曲、Disc2にレア曲を並べた構成は予想以上に良く、成功していると思う。
何度も聴きたいと思えるライヴ盤だった。