78年リリースのライヴ盤。
77年10月の原宿でのライヴ音源。
トリオ・レコードに移籍しての第1弾が、スタジオ・アルバムじゃなくてライヴ盤だったのはどういうわけか。それほど早くリリースしなきゃいけない契約だったのか。
実は僕は『ベスト撰集』というベスト盤を持っていて、それにはライヴ・ヴァージョンが多いし、どういう意図のベスト盤なのかなあと思っていたのだが、なんの事はない、トリオ・レコード時代の4枚のアルバムから選曲されたベスト盤だった事が、今になってわかった。
というわけで、このライヴ盤から9曲もベスト盤に収録されていて、僕にとっては聴き憶えのあるものが多く、それほど期待したわけではなかったのだけれど、ボーナス・トラックとして、いくつかのシングル曲が入ってて、そこもポイントかなと。
1曲目「ミュージック・ミュージック」。
ファンキーなリズムで幕を開ける。作詞作曲はミック・スチュワートとなっているが、どうやらムッシュのペンネームらしい。
2曲目「フリ・フリ」。
原曲のスパイダースのアレンジはガレージっぽかったけど、ここではあくまでファンキーなノリ。
3曲目「あの時君は若かった」。
このスパイダースの曲はあまり好きじゃないんだけど、ここでのアレンジはどことなくお洒落なムードで。抑えた感じで歌うムッシュのヴォーカルも良い。
4曲目「ヘイ・ボーイ」。
スパイダースの原曲は騒がしい感じだったけれど、ここではテンポを落としてゆったりとした感じ。
5曲目「ノー・ノー・ボーイ」。
間奏でムッシュが「リメンバー・ザ・スパイダース」と呟く。
6曲目「サマー・ガール」。
これは大好きなスパイダースの名曲。マチャアキのヴォーカルもいいけど、ムッシュのムードたっぷりのヴォーカルもいい。
7曲目「サマー・ラブ・アゲイン」。
これは僕は初聴きの曲。当時の新曲でシングルのB面曲。トリオ・レコード時代の人気曲のひとつらしい。たしかに、夏の終わりを感じさせる、いい曲。サビのラストの「♪僕は君にサマー・ラブ・アゲイン」のメロディが決まってていい。
8曲目「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」。
これまた大好きな曲。とにかくカッコいい。ムッシュが時代の先端を走ってた証拠でもある曲。
9曲目「どうにかなるさ」。
これは前は好きではなかったけれど、だんだんと胸に染みるようになってきた曲。のんびりとしながらも哀愁もあるポジティブさがいい。サビではザ・バンドっぽいコーラスが。
10曲目「ハロー、ミスター・サンシャイン」。
これもミック・スチュワート名義の全編英語詞。
11曲目「サテン・ドレスのセブンティーン」。
これも大好きな曲。ベスト盤には入ってなかったので、ここでライヴ・ヴァージョンが聴けて嬉しい。クールでファンキー。カッコいい。
12曲目「バン・バン・バン」。
ここで再びスパイダース・ナンバー。
13曲目「のんびりいくさ」。
冒頭で「ラスト・ナンバー!」と叫んでるようにライヴ最後の曲。これ、タイトルに反してのんびりとしてない(笑)。結構ノリが良くカッコいいアレンジ。そしてラスト、突然演奏が終わり、音がブツ切れる。ライヴ最後の余韻というものがない。
14曲目「つづけ青春たちよ」。
音が突然終わる前曲に続いてはじまったこの曲は、ライヴ・ヴァージョンではなく、どう聴いてもスタジオ音源。でも、このCDのボーナス・トラックは15曲目からという事で、この14曲目の立場は??当時のレコードにもこうやって収録されてたものなんだろうか。謎。なんにせよ、この曲はシングル曲で、アニメ『まんが偉人物語』のテーマ曲だったとかで。なんとなく聴いた事あるかも。このアニメ観た事あったのかも。偉人の番組という事で、それっぽい感動曲。
15曲目「サテン・ドレスのセブンティーン」。
ここからが正式なボーナス・トラック。77年のシングル曲。大好きな曲で、15年くらい前にダウンロードで買った曲だったけど、CD音源を手に入れたのは初めて。
16曲目「サマー・ラブ・アゲイン」。
前曲のシングルB面。今回が初聴き。ライヴ・ヴァージョンを先に聴いちゃったけど、スタジオ・ヴァージョンももちろん良い。このシングルは大当たりだなあ。
17曲目「つづけ青春たちよ」。
これ、14曲目とまったく同じ音源?当時のシングルをボーナス・トラックとして入れたんだろうけど、まったく同じものをわざわざ入れる意味がわからない。
18曲目「ありの大統領」。
前曲のシングルのB面で、これも同じくアニメのテーマ曲。偉人という事で大統領か。コミカルなカントリー。
前半はスパイダースのセルフ・カヴァー中心、その後はソロの代表作から新曲までという構成。
ムッシュの集大成とも言えるのだが、一番売れた「我が良き友よ」が収録されてないのもポイント。これは実際にこのライヴではやらなかったのか?やったのに収録しなかったのか?ちょっと謎。
ライヴは全般的に、お洒落でクールでファンキー。
ボーナス・トラックのシングルの出来も秀逸。
当時のムッシュの充実ぶりがわかる作品だ。
↑ 「サテン・ドレスのセブンティーン」。
77年のシングル曲。大好きな曲で、15年くらい前にダウンロードで買った曲だったけど、CD音源を手に入れたのは初めて。クールでファンキー。カッコいい。