10月中旬、本屋の店頭で目にしたこの本。
こんな埼玉の片隅の田舎の本屋にポール・ウェラーの本??誰が仕入れる事を決めたんだろうかと不思議で。別にロック系の本たくさん置いてるわけじゃないのに。渋くない?
ジャム、スタイル・カウンシル、ソロと、ポール・ウェラーがリリースしてきた全アルバムのレビューを中心にまとめられた本。
少し斜めに構えたポール・ウェラーの表紙からしてカッコいい。
うーん、欲しいと思いつつも、1800円ほどする値段に躊躇して、まあいいかと購入を見送っていた。
でも、その本屋に行くたびに、気になる。発売されてから10日ほどたっても置いてある。
最初は買うつもりはなかったのだが、この本をじっくり読みながら、iPodでポール・ウェラーのアルバムを聴き直したら、幸せな時間が過ごせるのではないか?と思ったら、やっぱり欲しくなってきて。
こんな田舎でポール・ウェラーの本、僕が買わずして誰が買うのか?と、意気込んで、購入を決意、仕事帰りに本屋に駆けつけた。
ところが。
棚にあったはずのポール・ウェラーの本がない!
昨日まであったのに!
買おうと決断したその日に売れてしまうとは、なんたる事。
こんな田舎街に、他にもポール・ウェラー・ファンがいたとは...。
これは、この本とは縁がなかったんだな、と諦めて家路に着いた。
だけど悔しい。
いったん買おうと決めたものが手に入らないというのはモヤモヤする。
買えなかったとなると、ますます欲しくなってくる。
縁がなかったものと一度は諦めてたけれど、やっぱりいてもたってもいられなくなって、結局Amazonでポチッと購入してしまった。
1枚のアルバムを、見開きの2ページを使ってレビューしている。
ジャケットをカラーで載せているのはもちろん、曲目もちゃんと掲載。
と思ったら、カラーなのは100ページくらいまでで、ソロの『Heliocentric』以降はモノクロになってしまってるのが残念。惜しいよ。値段がもう少し高くなっても、あともうちょっとがんばってオールカラーにしてほしかった。
それはそれとしても、各アルバム2ページを使っての解説文なので、読み応えがある。じっくりとそのアルバムの世界観に浸れる。
今は毎日iPodでポール・ウェラー漬け。幸せな時間を過ごしている。
スタカンやジャムは別格としても、正直、ソロはあまりピンと来ないものも多くて、あまり熱心に聴きこんではいなかった。
だけど今回聴き直してみて、ソロが意外と良かった事に気付いた。
骨太で硬派なサウンドは、聴けば聴くほど染みこんでくる。
あれえ?こんなに良かったっけ?と思う事の連続で、特に『Wake Up The Nation』なんかはリリース当時2~3回聴いただけですっかり駄盤だと思い込んでたけど、今回聴き直したらすごい良くてビックリ。
どのアルバムを聴いても新たな発見の連続で、聴いてて楽しい。
こりゃあソロを侮ってたな、と。
今年5月にNEWアルバムを出したポール・ウェラー。
そのNEWアルバム『Saturns Pattern』が良かったら、来日公演に行ってもいいかなと思ってたんだけれど、他に聴きたいCDがいっぱいありすぎて、『Saturns Pattern』はずっと聴けずに放置。
来日は11月頃だったっけかなあと思ってたら、実は10月で、気付いた時には既に終わってた。
ポール・ウェラーに惚れ直した今となっては、ああ、やっぱりライヴ観に行きたかったなあと思うのだが、そう思うのも、この本を買ってソロ・アルバムを聴き直したからであって、この本が発売になったのも、来日を記念してのライヴ直前だったわけだから、やっぱり間に合わなかったというのは運命だろう。
この本がせめてあと1ヶ月発売が早かったら...とは思うのだが。
ソロ、スタカンと聴き直して、これからジャムも聴き直すところ。
それから再びソロもじっくり聴きこみたいと思ってるし、しばらくポール・ウェラー漬けは収まりそうにない。
これほど幸せな、ワクワクする時間を過ごせるなら、この本の1800円という値段は高くなかった。
値段以上の至福の時。
この本を何度も手にとってはニヤニヤしている。