こんなベスト盤が出ると知った時は、またベスト盤かあ、ベストは持ってるしなあ、と思った。
この時点では、知らない曲・持ってない曲が結構あったけれど、Disc 2のLive Discの収録曲は、『Unplugged』『24 Nights』『One More Car, One More Rider』からがほとんどで、それらを持っている僕としては、あまり新鮮味がなく、Disc 3はBlues Discで、(この時は)ブルース苦手の僕としては、あまり魅力を感じない。
という訳で、絶対買いたいと思う様なベスト盤じゃないなあ、と思ってスルーしてた。
1曲目「Gotta Get Over」。
引き摺る様なギターのリフが印象的な、ブルース寄りのロック。アルバム『Old Sock』で聴いた時は、まったく印象に残らなかったんだけど、こうしてベスト盤のオープニングという大事なポジションで聴くと、一味違って聴こえて、かなりいい感じ。間奏の何本ものギターの絡みはカッコいい。こんなにいい曲だったっけ?
2曲目「I’ve Got A Rock ’N’ Roll Heart」。
ロックン・ロールというタイトルが付いてるけど、肩の力の抜けた曲で、いかにもロックという曲ではない。南国の暖かい風が吹いてくるような、リラックス・ムード。このベスト盤の中では、最も古い曲か。
3曲目「Run Back To Your Side」。
これまたギターの音色が堪らない。ノリの良い曲で、間奏のギター・ソロがカッコ良すぎる。弾きまくるクラプトンは往年の姿と変わらない。アルバム『Clapton』は、駄作と思ってた程、好きな曲がなかったはずだったのだが、この曲が『Clapton』収録曲だと知ってビックリ。こんな素晴らしい曲があったなんて。
4曲目「Tears In Heaven」。
12曲目「Change The World」。
90年代に、クラプトンの名を一気に押し上げ、大人の音楽として一般人にも浸透させた、この2曲。今さらもう、何も言う事はない。古くからのファンには、こういうクラプトンに批判的な声を上げる人もいるけれど、僕は好き。
5曲目「Call Me The Breeze」。
この曲は持ってなかった。初出もどこなのかわからない。ベース・ラインが印象的ながらも、後ろでギターも弾きまくっている。
7曲目「Believe In Life」。
この曲も再発見。アルバム『Reptile』は、それなりにいい感じのアルバムという印象はあったけれど、まだ1個1個の曲を認識できるほど、聴きこんではいなくて。そうか、こんないい曲があったから好印象だったのか。穏やかながらもどこか軽快。先日大好きになった「Circus」を髣髴とさせる感じ。控えめながらも、ギターの音色はさすがクラプトンで素晴らしい。
10曲目「Anyway The Wind Blows」。
近年のクラプトンの作品は、ごっそりまとめてレンタルしてきて手に入れたのだけど、J.J.ケイルとの共演盤は置いてなくて、未聴だった。つまりは今回初聴きだった曲。やや単調な曲だけど、全編を通してギター弾きまくってるし、何度も繰り返して聴いていればハマりそうな気がする。
13曲目「Behind The Mask」。
アルバム『August』で聴いた時は、ほとんど印象に残らなかったんだけど、なるほど、こういう感じだったのか、と。今回はちゃんと認識できた。もちろんYMOの原曲は知ってたけれど、あのインストに、詞とメロディを足して作られたものか。このメロディを作ったのは誰だろ。クレジットにマイケル・ジャクソンの名があるけど。マイケルなの?
14曲目「It’s In The Way That You Use It」。
このタイトルを歌う冒頭のサビがなんとも印象的なんだけど、日本人には憶えにくいタイトルという事で、邦題は「ザ・ギフト」。でも、全然脈絡がない感じで、逆に憶え辛い(笑)。
今まで、各アルバムで、いろんなブルースを披露してきたクラプトン。そんな中から、どんな曲が選ばれているのか、楽しみだった。
中心になっているのは、
94年に初めてブルース・ナンバーで固めた『From The Cradle』からのもの4曲と、
04年のロバート・ジョンソンのカヴァーで固めた『Me And Mr. Johnson』からのもの4曲、
そして『Me And Mr. Johnson』のセッション時のアウトテイク4曲。
その他は、B.B.キングやJ.J.ケイルとの共演盤も含めたアルバムなど、各アルバムからブルース・ナンバーを選んでの合計19曲。
1曲目は、大好きな『Journeyman』から「Before You Accuse Me」。力強いブルースのリズムに、3度に渡って繰り広げられるギター・ソロ。このギターの音色が気に入れば、きっとこのDisc 3全体を楽しむ事が出来るであろう。
3曲目「Hold On I’m Coming」。
ブルースと言うよりソウル。終盤のB.B.キングとのギター・バトルに胸熱。