[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2001年頃に書いた記事です
一番ポップなジョンのアルバム。
前作の重たさから考えたら信じられないくらい。
前作で心の底から叫び、心情を吐露した事によってスッキリしたのか。これでようやくゼロから始める事ができたかのような、穏やかなジョンの心持ちが見て取れる。
もちろん、前作のようなハードな曲も存在する。
「イッツ・ソー・ハード」「兵隊にはなりたくない」「真実が欲しい」「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?」...と、実は「かなり」ある。
しかし、それらの曲のもつ雰囲気は、アルバム全体の印象としては残らない。前作で感じたような重さとはどこか違うんだよね。
よって、印象として残るのはやはり、穏やかで優しいジョンなのだ。
その筆頭とも言えるのが「イマジン」。
僕も、ビートルズを意識する前から、なんとなく知っていた曲だった。
それで、ビートルズを好きになってから改めて聴いてみて、いい曲だなとは思ったけれど、正直、すぐに飽きちゃったかな(笑)。
そのメッセージも含めて、あまりに大々的に取り上げられている曲だからかもね。でも、この曲が名曲である事には異論はありませんですよ、もちろん。
それよりも、すぐに好きになったのが「ジェラス・ガイ」。
ジョンの大反省曲(笑)なのだが、これまた綺麗なメロディ。間奏の口笛もせつない。「イマジン」よりもジョンの本質を表している曲だと思う。
「クリップルド・インサイド」は楽しい気分になれる。
ジョージのドブロ・ギターが印象的。
「オー・マイ・ラヴ」は、前作「ラヴ」に似た、シンプルな作りのバラード。
ギターとピアノが美しい旋律を奏でて、それだけで泣きそうになってくる。
この曲を聴いてると、悲しさも感じるし、幸せも感じる。どうしたらいいのかわからなくなる程の(笑)名曲だ。
「ラヴ」はベスト盤に収録されるのは当然なほど有名なのに対し、この曲の方はなんとなく過小評価されてるように思えた僕は、一時期、「ラヴ」よりもこっちの方がいいぞ!と事あるごとに訴えていた(笑)。
それから、初めはなんとなく地味に思えて素通りしてしまっていたんだけれど、実はとんでもなくいい曲だったのが「ハウ?」。
これまたとびきり優しいジョンだ。
ストリングス・アレンジも感動的で、いつのまにかアルバムの中で1~2を争うほど大好きな曲になってしまった。
とびきり明るくてポップなのが「オー・ヨーコ」。
曲全体がキラキラしているように思えるんだよね。
このアルバムがこの曲で終わる、というのも、意味があるように思う。
というわけで、とにかく聴きやすいと思う。
なので、初心者に一番初めに薦めるとしたら最適と思えるのがこのアルバム。
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