1st、2nd共に、アルバムのリリース後は来日公演もやってくれました。
もちろん、僕は2回とも観に行きましたが、あんまり内容憶えてないんですよね(笑)。
で、その翌年の94年にリリースされたライヴ盤です。
つまりは、僕が観に行ったツアーと同じ様な内容の演奏と思われるわけで。
なので、当然買ったのですが、うーん、あんまり好んで聴いた記憶がないなあ。
大好きな曲もあるけれど、僕がポール・ウェラーに求めているものと、実際の音楽にだんだんと距離を感じてきてしまっていて、ソロは、ジャムやスタカンとは違うんだなあと実感し、少しずつ心が離れていくんですよね。
だから当時はあまり聴かなかったのですが、改めて聴いてみると、そこまで悪いわけではなく、今なら当時には感じる事の出来なかった良さに気付いたりもします。
1曲目「Bull Rush」。
いきなり突っ走るわけでもなく、しっとりと始まるでもなく、良い加減に力を抜きつつも会場を温めていく、そんな1曲目という感じです。
終盤のギター・ソロの後の「Magic Bus」のフレーズはスタジオ盤より長く、熱い。
2曲目「This Is No Time」。
アルバム収録曲ではないコレを披露するとは渋い選曲。間奏のギター・ソロの時にバックの演奏が少しずつ小さくなっていき、そしてまた爆発する様な演奏に戻ってブルージーなフレーズを聴かせるのがカッコいい。ライヴならではだと思います。
4曲目「Above The Clouds」。
ベースの音を強調したグルーヴ感が心地良いですね。
6曲目「Shadow Of The Sun」。
もともと長い曲だったけど、ここではさらに長い10分超の演奏です。
聴き所は当然、終盤のギター・ソロを含めた熱のこもった演奏で、このライヴのハイライトのひとつ。つい聴き入ってしまいます。
7曲目「Holy Man」。
終盤、ガラッとテンポが変わる所がカッコいいです。ていうか、この部分は誰かの他の曲の1フレーズなのかなあ?
8曲目「5th Season」。
スタジオ盤を聴くと、スタカンっぽいのですが(ていうか、演奏メンバー、スタカンだしね)、ここでの演奏はとても骨太に仕上がっていて、あまりスタカンぽい感じはしませんでした。
ああ、やっぱりこれはポール・ウェラーのソロなんだ、という気持ちになります。
9曲目「Into Tomorrow」。
11曲目「Sunflower」。
1st、2ndを代表する、大好きなロック曲2つ。これらを目当てにこのライヴ盤を買ったと言ってもいいでしょう。
スタジオ盤ではソリッドに聴こえましたが、ここでは音の厚みとグルーヴ感が強くて、ライヴならではと言えますね。
10曲目「Foot Of The Mountain」。
これは当時僕の持っていた2作のアルバム(日本盤)には収録されてなかった曲で、このライヴ盤で初聴きかと思ったのですが、なんだか聴き憶えのある感じで。
そしたらこれは、2ndアルバムにあった応募券を送ると、全員がもらえたスペシャルCDの中に収録されてたものでした。だから、何回かは聴いた事があったんだね。
これも間奏のギター・ソロの熱さとか、ライヴならでの良さだと思いましたね。
ただ、このライヴ盤の欠点は、ひとつのライヴの流れに沿ったものではなく、曲と曲の間にブランクがあって、ブツ切れのような編集になっている事です。中には演奏途中でフェイド・アウトしてしまってる曲もあります。
こういう編集の仕方はとても残念で、せっかくのライヴ盤をどうしてこういう風にしてしまうのか疑問です。
そんな欠点もありますが、これはポール・ウェラーが復活の兆しをステージ上でも肌で感じ始めたであろう時期の記録です。
どん底の冬の時代を抜け、再び自信を取り戻して己の道を行き始めたポール・ウェラーです。
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