欅坂は、CDデビュー前に始まったTVの冠番組を観たのですが、正直、すぐに気に入る娘が見つけられず、番組自体もあまり面白いと感じられなくて、すぐに観るのを止めてしまいました。
それからデビュー後は、シングルをなんとなく聴いてましたが、「ふーん、こんな感じか」くらいに思ってました。嫌いなタイプの曲ではないけど、すぐに飛びつくほどでもないかな、と。
1stアルバムが出ると知った時は驚きましたね。出るのが予想外に早かったですから。
乃木坂とかAKBグループとかの様子を見てると、デビュー・シングルからアルバムが出るまでは異様に待たされた、という印象が強かったですから。
で、他のアルバムをレンタルするついでの数合わせ(まとめ借りしないと安くならないので)で、この欅坂のアルバムを借りてみたんです。
そしたら、思っていたより全然良くてね。
全体の流れの中で聴いていたら、それまで「ふーん」くらいにしか思ってなかったシングル曲の輝きにも気付き始めて。
今まで、どうしてこの良さがわからなかったんだろう、って。
それから鬼リピートでした。
曲が好きになったら、次は好きなメンバーを見つけたい。
そうすれば、欅坂がもっと好きになれるから。
以前は、あまり可愛いと思える娘はいなかったけど、今の目で見たらどうか。
さて、どうしよう、TVの冠番組でも観てみるか、と思ってた矢先。
ふっと、浮かんだのです。
「長濱ねる」
1度聞いたら忘れられない、インパクトのある名前。
こういう名前の娘が欅坂にいる、ってのは知ってたんです。
でも、顔は知らなかった。
なので、まずはこの娘がどんな顔をしてるのか調べてみようか、と。
そしたら。
ドンピシャでした。
こんな可愛い娘がいたのか。
以前、冠番組を観てた頃には気付かなかったぞ(ねるの履歴を調べると、たぶん、その頃はまだいなかったのかな)。
ねるの存在をもっと早くに知ってたら、もっと早く欅坂の事が好きになってただろうに。
とにかく、あっという間にお気に入りのメンバーも見つかりました。
これで、欅坂にハマったと言っていいでしょう。
ただ、レンタルして聴いていたこのアルバムでしたが、やはり物足りません。
レンタルしたのは通常盤で、実際には2枚組(+DVD)のType AとType BというCDが出ているわけですから。
通常盤の中にだけでもこれだけいい曲が揃っているのだから、他にもいい曲があるだろうし、CDが欲しいな、と思うようになりました。
ただ、4000円以上するCDを2枚も買うのはちょっとキツい。
とりあえず1種類、買いたいなと。
Type AとType Bのどちらを買うかという事ですが、大好きな「エキセントリック」のPVが収録されたDVDが付いているType Bも魅力でしたが、それよりも、長濱ねるのソロ曲がDisc 2に収録されているType Aの方でしょう。
僕にとって優先すべきは、映像よりも音源の方です。
というわけで、Type Aを購入する事となりました。
Disc 1
1曲目「Overture」。
オープニングSE。
欅坂らしい、絶望感も入り交じったイメージ。
2曲目「サイレントマジョリティー」。
このデビュー・シングルで、欅坂の方向性がビシッと決まりましたね。
明るく輝いたアイドルらしからぬ、ダークなイメージ。
世の中に対する諦観がありつつも、このままでいいのかと訴えてくるような。
そういう暗さや説教臭さが初めは好きじゃなかったんですけど、いったん欅坂を受け入れられるようになったら、だんだん好きになってきました。
存在感のある曲です。
3曲目「手を繋いで帰ろうか」。
アイドルらしい曲があってホッとしました(笑)。
ポップなカントリー・ロックで、アコギの音色が爽快感抜群です。
サビのベース・ラインが気持ちいいですね。
4曲目「キミガイナイ」。
冒頭のピアノとヴォーカルの、カクカクとした(笑)メロディに心奪われます。
サウンド的には、乃木坂のような清楚系ですね。
5曲目「世界には愛しかない」。
これをシングルとして初めて聴いた時は、冒頭の「うわぁぁぁぁぁ」という絶叫に引いたし(笑)、メロディじゃなくて、セリフの部分が印象に残って、なんか、「歌じゃなくて朗読かよ」と、興味を持てなかったのですが、こうしてじっくり聴いてみたら、かなりの名曲じゃないですか(笑)。
そのセリフの部分も含めて、疾走感に溢れたサウンドでスリリング。
セリフ部分が終わると、だんだんと盛り上げていって、サビは壮大なメロディ。大きく包み込むような世界観です。
サビのラストの「♪ それが僕のアイデンティティー」は、拳を高々と突き上げて大団円を迎えるようなカタルシスを感じられます。
6曲目「語るなら未来を・・・」。
これまた切迫感に溢れた、ダークな曲ですね。
絶望の中でも未来を語ろう的な感じでしょうか。
暗い中にも救いがあるのが欅坂でしょうね。
7曲目「ひらがなけやき」。
ダークなイメージが強い曲が多い欅坂の中では、こういうほのぼのとした曲があるとホッとしますね。
8曲目「二人セゾン」。
これは評価の高い曲ですよね。「普段アイドルなんて聴かないけど、これは好き」等と、アイドル・ファン以外の受けもいいように思います。
一聴すると、ふんわりとしてて清楚系。でも、乃木坂じゃなくて欅坂が歌うと、言葉の裏には何かあるんじゃないか?と勘繰りたくなってしまいます(笑)。
切ないとも悲しいとも違うし、楽しいなんかじゃ決してない。それでいて開放感のある不思議な、サビの畳み掛けるようなメロディがツボに来るんだと思います。
9曲目「制服と太陽」。
温かい気持ちになる曲ですね。
制服は強制されて着る服ですが、そんなのなくたって、という訴えに聴こえます。
10曲目「誰よりも高く跳べ!」。
これはカッコいい曲です。勇気が湧いてきます。
高く跳ぶために、身を屈め、力を貯め込んで、ジャンプする直前の何とも言えない高揚感が詰まっています。
11曲目「大人は信じてくれない」。
もうタイトルからして秋元康お得意のコースですよね(笑)。
そういう絶望感の中にある少女たちの中で、欅坂はどういった対応をするのか。
サウンドもヘヴィです。
12曲目「不協和音」。
やっぱり欅坂は笑わない、ダークなアイドルというイメージをさらに突き詰めた曲ですね。
サビ前の「僕は嫌だ」のセリフは否応にも印象に残ります。
こういう暗い曲は、拒否反応を示す人も多いでしょうが、それをカッコいいと思えるかどうかで、欅坂を好きになれるか分かれてくる気がします。
13曲目「僕たちは付き合っている」。
この宣言はなんでしょう。そんな事を、わざわざ宣言する理由はどこにあるのか。
「決意表明」なんでしょうが、その奥底には「不安」があるような気がします。
リズム、サウンド的には行進が似合うイメージ。
14曲目「エキセントリック」。
この曲、ネットで話題になってたので、You Tubeで試聴してみたら、たしかにいい感じでした。この曲がアルバムに入ってると知ったから、レンタルしてみようとも思ったきっかけの曲です。
前半のラップは、ゲスの極み乙女。を思い出させますね。作った人(秋元康も含めて)は相当意識したんじゃないでしょうか。「♪ 伝言ゲーム」の部分とか、まんま川谷くんが作りそうじゃないですか。
ラップが終わって歌メロに入ると、さらに素晴らしい。ピアノのフレーズも美しい。
サビは一緒に歌いたくなります。ハモりたくもなります。
変わり者と思われてもいい、と開き直った歌詞にメロディがピタッとハマってます。
ダークなカッコ良さが得意な欅坂らしい曲です。
15曲目「W-KEYAKIZAKAの詩」。
ほんわかとしつつも、力強く自分達の存在をアピールしたテーマ曲。
好きな曲BEST 3
第1位 「エキセントリック」
第2位 「世界には愛しかない」
第3位 「誰よりも高く跳べ!」
Disc 2
1曲目「月曜日の朝、スカートを切られた」。
これは、1枚モノの通常盤だとラストに収録されてます。
欅坂らしい、諦観溢れる感じがシビアに胸に迫ります。
2曲目「渋谷からPARCOが消えた日」。
平手友梨奈のソロ。カッコいい歌謡曲という感じです。
どことなく切ないメロディから、「♪ PARCO」連呼のキャッチーなサビ。
平手のキャラを活かした素晴らしい曲。
3曲目「少女には戻れない」。
「♪ 純愛はもう無理」と、少女には戻れない悲しさ(?)を歌ってます。
サビのファルセットに透明感を感じて、欅坂っぽくないギャップがいい。
4曲目「乗り遅れたバス」。
やや拙いながらも真っ直ぐなヴォーカルに耳を奪われます。
6曲目「100年待てば」。
長濱ねるのソロ。
ここまで、欅坂らしい【絶望と共に生きる少女】といった感じの曲が並んできましたが、ここに来て、明るいアイドルらしい曲の登場です。
イントロが聴こえてきた瞬間、「ねるの曲だ!」と直感できたように、長濱ねるのキャラを活かした曲になってます。
ホーンの響きが派手に煽ってますが、ねるの歌声はやや控えめ(笑)。
7曲目「沈黙した恋人よ」。
歯切れの良いサウンドが心地良く、どちらかと言うと乃木坂っぽい清涼感も。
8曲目「チューニング」。
70年代のフォーク・ソングのような和むメロディで、懐かしさを感じます。
9曲目「青空が違う」。
ドタバタと慌ただしい感じが可愛いらしいポップ・ソング。
体がフニフニと疼いてしまいます。
10曲目「夕陽1/3」。
これまた爽やかですなあ。そして優しいです。
13曲目「危なっかしい計画」。
前半とサビが全く違う印象を受けます。
サビはガンガンに盛り上がるパーティー・ソングの趣です。
14曲目「自分の棺」。
再び平手友梨奈のソロです。
平手はどこまで行っても平手ですなあ。カッコいい。
孤高の存在です。
好きな曲BEST 3
第1位 「渋谷からPARCOが消えた日」
第2位 「危なっかしい計画」
第3位 「青空が違う」
というわけで、しっかりとCDを購入して大満足です。
すでに気に入っていたDisc 1はもちろん、Disc 2にも好みの曲がたくさん見つかりました。
コメントはしなくても、結構気に入ってるものもあるんですよ。好きなんだけど、言葉にできないや、って感じで(笑)。
欅坂は、センター平手のキャラを軸として、「笑わないアイドル」みたいな感じで、ダークでカッコいい曲を中心にその世界観を作り、裾野を広げてきました。
ただ、現在、平手は活動休止状態のようです。初めは素直にカッコいいと思えましたが、だんだん見ていて痛々しくなってきてましたもの。いろいろがんばらされてきたツケが回って来てしまいましたね。このまま引退してしまうのではないかという心配もあります。
そう考えると、このセンター不在の状況はかなりピンチとも言えるのですが、アルバムを聴いていると、欅坂は平手だけではない、というのも感じるんですよね。
そんな事はファンならもうとっくに知っているし、だから大丈夫だと思うんです。
いろんなキャラの女の子がいそうですから、この際、乃木坂みたいな曲でもAKBみたいな曲でもなんでもいいんで、「笑わないアイドル」からの脱却を図ってもいいと思うんですよね。
ピンチをチャンスと捉えて。
カッコいい曲ももちろんいいんですけど、そればかりではやっぱり疲れる。
アイドルなんだから、もっとアイドルらしい、女の子らしい、可愛いものを求めてるファン、そしてメンバー自身もいる事でしょう。
方向転換とまでは言いませんが、いろんな球を投げてもいいだろう、と。
その方が、もし平手が無事に戻ってきた時には、平手らしさもさらに輝くと思うし。
それはきっとできると思います。このアルバムを聴いてて、その可能性を感じました。
結構いろんな事ができそうじゃないか、と。
思ってたほど、ダークな曲ばかりではなかったですね。
ただ、一般人は、アルバムのDisc 2までは聴きませんからね(笑)。TVで歌われるシングルしか耳にしないでしょうから。
やっぱり、世間にアピールできるのはシングル曲しかない。
今度は長濱ねるをセンターにして、思いっきり可愛い曲をやってほしい。賢そうな曲でもいいかな(笑)。というのが、僕の勝手な願望ですが、なにしろ、まだ長濱ねると平手しか、顔と名前が一致してるメンバーがいないので(笑)。
他に、わたなべりか、とかいますよね?ゆいちゃんずとかってのもありますよね?名前しか知らないんです。顔はなんとなくしか浮かばず、それが合ってるかどうかもわかりません。
つまりは、メンバーについては超初心者の僕です。
ただ、曲は好きです。だから、ファンだと名乗ります。極論、曲が良ければなんでもいいや、って思ってますので。
曲の良さが気になるついでに言うと、やっぱり、僕が買ったType Aだけでなく、Type Bにだって、いい曲があるんじゃないか、と思わざるを得ません。
ホント、こういうアルバムの作り方ってあくどいですよね。
でも、いつかそのうち、手に入れる事になるのではないか。
そんな気がしちゃってます。
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