[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2003年頃に書いた記事です
オリジナルの1st、カヴァーの2ndときて、今度は両方ごちゃ混ぜの3rd。
とは言っても、2nd発表以降のシングル(A・B面6曲中5曲がオリジナル)に、ステージ・ナンバーであったカヴァー曲を追加して1枚のアルバムにしてしまった、という形。
安易と言えば安易だが、まあ、それが当時のアルバム作りというもの。
しかし、「夕陽が泣いている」等のヒット曲が収録され、前2作に比べたら随分華やかな印象のアルバムとなった。
やはりここは大ヒットとなった「夕陽が泣いている」の存在は大きい。
この曲は職業作家・浜口庫之助の作品で、当時、メンバーはこういう曲をやる事に大反対だったという。たしかに、1stからオリジナル曲を重視し、カヴァー曲にしても英国最先端の楽曲をいち早く取り上げる事が彼らの姿勢だっただけに、職業作家の楽曲による歌謡曲路線は、彼らのポリシーを大きく揺さぶる事だったのかもしれない。
が、結果的にはこの曲によってスパイダースは大ブレイク。かく言う僕も、「マチャアキが昔やってたバンド...スパイダース」の曲として初めて接したのがこの曲だった。
皮肉な事ではあるが、彼らの代表曲である事は間違いない。
スパイダース知りたての頃は、この曲も好きだったんだけれど、今はそうでもないなあ。彼らの気持ちがわかってきた、って事か?(笑)
もう一曲、浜口作曲なのが「チビのジュリー」。
「のっぽのサリー」のパロディって事だろうけど、曲調は全く違って、スローでマイナーの曲。
ムッシュのコーラスが印象的で、浜口作品とは言え、スパイダースっぽくて、意外と好き。
このアルバム一番のお気に入りは「サマー・ガール」。
タイトルからして想像できるように、ビーチ・ボーイズの影響を受けた曲。
コーラス・ワークは本家ほど凝ったものではないが(笑)、順のAメロ、マチャアキのサビと、せつないヴォーカルメロディが冴え渡るし、エンディングに「カリフォルニア・ガールズ」(ビーチ・ボーイズ)のリフが飛び出すのも粋。ムッシュの楽曲消化センス(?)の良さが光る。
「なればいい」は、シュールな歌詞とサイケなサウンドが特徴的な名曲。
「♪ Ah~」の後の間奏は文句ナシにカッコいい。
その後の順のほのぼの路線を決定付けたとも言えるのは「なんとなくなんとなく」。
後の「いつまでもどこまでも」等にもつながる、ほのぼのとした幸せを歌うこの路線は、女の子をターゲットにしたためか(?)、個人的にはグッとはこない(笑)。
他はカヴァー曲。
「リーチ・アウト・アイル・ビー・ゼア」「孤独の叫び」のマチャアキが渋くてカッコいい。
現在は、『ゴー!スパイダース、フライ!サベージ』との2in 1CDとして発売中。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●