[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2004年に書いた記事です
1983年、カナダ公演の模様を収めたライヴDVD。
金髪でチリチリパーマのボウイの姿が印象的。
そう、『レッツ・ダンス』のジャケットに写ってる姿そのままだね。ステージ・アクションにもボクシングのポーズを取り入れている。
先日観た、最新ライヴDVD『リアリティ』でのリラックスした雰囲気に比べたら、こちらは随分と作りこまれたステージとなっている。何人ものダンサーを配し、小芝居を取り入れたそれは、まるでミュージカルの様相。いかにも80年代的SHOWといった感じだ。
若いせいもあるが、ボウイもかなり気合いの入ったステージングを見せている。
そしてビックリした事に、その『リアリティ』ライヴでも、ギターを弾いていたアール・スリックが、20年前のこのステージでもバンド・メンバーの中にいた事!ここでは、キース・リチャーズの様な容貌であり、現在の鮎川誠風とはかなり違うのだが(笑)。
で、このDVD。わざわざ字幕で歌詞の対訳を入れているのにビックリ。
親切というか、いらぬおせっかいというか...(笑)。
肝心の音質なのだが、はっきり言って悪い。
80年代の映像・録音なので仕方ないのかもしれないが、それにしても、とにかく、観客の声がデカイ。終始音楽に客の歓声が被さっていて、うざったい。
というか、あとから歓声を足したかとも思える程、ずっとキャーキャー言っていて、聴いていて疲れてしまう。その点は大きく減点だな。
ただ、セット・リストとしては、なかなか豪華なもの(だから購入したのであるが)。
「ファッション」から「レッツ・ダンス」へのメドレーは、観客がより熱くなるのもわかる。
大好きな「火星の生活」、最近のライヴでは、サビをオクターブ下げて歌っているという話は聞いていたが、実はこの頃からすでにそうだったのね。たしかに、あのサビのシャウトを再現するのはキツかろうけれど。
「チャイナ・ガール」もひとつの見どころ。
腰をクネクネさせて踊るボウイのパフォーマンスが熱い。ある意味面白い(笑)。
この曲から、「ホワイト・ライト・ホワイト・ヒート」に至るまでのアップ・テンポな流れは、このライヴの山場となっている。
「アッシェズ・トゥ・アッシェズ」は、CD音源のような不思議な感覚こそないものの、ライヴならではのビート感があり、なかなかの出来。
他にも、「ヒーローズ」「ゴールデン・イヤーズ」「スペース・オディティ」「ヤング・アメリカンズ」「フェイム」など、ヒット曲のオンパレードだ。
というわけで、『レッツ・ダンス』発表後の、ボウイの勢いが感じられるライヴとなっている。全体的にテンポ良く流れ、映像作品としても飽きさせない仕上がり。
前述した通りの演出は、今観るといささか寒いものもあるが、そこはまあ、80年代ならでは、という事でご容赦。
ボウイのひとつの時代を記録している貴重な映像だ。
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