[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2004年に書いた記事です
前作『IT’S A WONDERFUL WORLD』が良く、「やっぱりミスチルは毎回チェックしないとな」と思い直したので、今回の新作は発売と同時に購入した。
...で。
結論から言ってしまおう。これまた名盤である、と。
ヘヴィなサウンドに乗せ、いきなり「♪ 愛想尽かしてくれても一向に構わない」とかます「言わせてみてぇもんだ」で、「おっ、当たりだ!?」と思わせられる。
2曲目は、コステロ調の「PADDLE」。
言葉の乗せ方がいい。調子のいいリズム。
シングルでもある「掌」は、「♪ ひとつにならなくていいよ 認め合うことができればさ」というメッセージ・ソング。
重く、やや投げやりな印象の歌唱法。
「くるみ」って、人の名前だったのか(笑)。
世知辛い世の中だけど、どんな事が起こるかわからない明日には胸が躍る、という、希望を歌った曲。
「花言葉」は、ミスチルとしては、割と「オーソドックスに」いい歌。
いい意味で、大きなひねりのない、と言うかね。
爽やかな曲が続いたので、ここでまたヘヴィになって「Pink ~奇妙な夢」。
タイトル通り、まさしく奇妙な歌詞。わけわからん世界だなあ。
「♪ 老婆は患ってて」とか言ってるし(笑)。
「血の管」って、タイトル気持ち悪くて仕方ないのだけど、サウンドは逆で、美しいピアノのイントロで始まるバラード。
そのギャップがいいんだか悪いんだか(笑)。
「空風の帰り道」は、歌い回しが奥田民生だなあ(笑)。
さりげなく始まって、途中からドラムなどが入るアレンジがいい。優しい歌。
Aメロ~Bメロと、やたら難しい「Any」だけど、そこはさすがにCMソング、サビはいきなりキャッチーに。
「♪ 今 僕のいる場所が探してたのと違っても 間違いじゃない きっと答えは一つじゃない」という部分もいいけれど、もっと好きなのは「♪ 愛してると君が言う 口先だけだとしても たまらなく嬉しくなるから それもまた僕にとって真実」という部分。
「天頂バス」は、変な歌かと思いきや、ファルセットにやられた。
後半の展開も聴き逃せない。
うーん、これも好き。
「タガタメ」は、ラジオのみの発表で、一時話題になった歌。
被害者と加害者とすべては紙一重で連鎖している世の中を、どう生きたらいいのか問うている歌詞も重いが、やはり桜井氏の熱唱に唸らされる。
ラストは「HERO」。
この曲に限った事ではないが、ミスチルの歌は、気の小さな小市民が主人公なんだよね。その大きな事はできない主人公が、どんな事を考えているのかがポイントなんだ、いつも。
しかし、重くなりがちな歌詞も、キャッチーなメロディで歌われているから、どこかに救いがある、というかね。
この曲もCMソングとしてお馴染み。
フッと聴いただけでは、そんな重いこと歌ってるようには感じないんだよね。
そんなわけで、ハズレはないし、とにかく名盤かな、と。
前作も好きだったけれど、アルバム全体としては、まとまりを感じるし、今作の方が好きかも。
何気に流しながら眠りにつこうかと思ったんだけど、すぐに興奮して起き上がり、歌詞カードとにらめっこしながら聴いてたもん。
あっという間の全12曲61分だった。
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