[CAFÉ BLEU STYLE ARCHIVES] 2010年に書いた記事です
今年に入って聴き始め、ハマッたところに絶好のタイミングでリリースされた新作。
第一印象は...うーーん...期待が大きすぎたか。
一発で心奪われる曲もなく、やくしまるえつこのため息混じりのヴォーカルもなく。
これは駄作か...と思っていたのだが、前の『ハイファイ新書』も聴き込んでいくうちにハマッたんだから、今作も聴き込んでいけば...と思いつつ聴いてると。
じわじわ良くなってきた。
良く言えば、進化してるという事だろう。
『ハイファイ新書』は、インディーズっぽいというか、サブカル的というか、聴いてはいけないものを聴くような、ドキドキ感があったけれど、今回はない。全体的にオシャレにまでなっている。アキバ系だったものが渋谷系になったような気さえする。どちらがいいかと言われれば、前の方が良かった気がするが、今回のもこれはこれで悪くない、と思える様になってきた。
オープニングの「シンデレラ」は、前作の「テレ東」と同じように穏やかに始まる。
サビの「♪ 闇を切り裂いて吼えてあなたを夢中にする」のセリフがスリリング。
「ミス・パラレルワールド」はとにかくサビの「♪ パラレルパラレル...」の連呼が印象的。
「♪ あなたはちょっと開けたわたしの心のドアを」もいい。
『ハイファイ新書』でも感じたけれど、ギターがバービーボーイズっぽいんだよね。
「人工衛星」はバービーの「暗闇でDANCE」を髣髴とさせる。
「チャイナアドバイス」はこれまたポップ。
サビの「♪ チャイナ」が耳に残る。
「ペペロンチーノ・キャンディ」を聴いて強く思ったんだが、相対性理論て、近田春夫の匂いがするんだよね。
この曲の「♪ 絶対無理って言ってない?」の部分なんてジューシィ・フルーツだよ。
「マイハートハードピンチ」は前半ファンクだ。
今作の中では一番好きな曲かもしれない。
この曲、旧タイトルは「さしすせソング」。「♪ あいうえおっと かきくけこれは さしすせそうよ たちつて止めて」のパートを受けてのものだが、旧タイトルの方がずっと良かった。「マイハートハードピンチ」なんて言い辛い名前より、「さしすせソング」の方が相対性理論ぽくていいのにね。何故変えちゃったんだろう。
「三千万年」はモータウン・ビートだ。
「♪ 心配ないけど心配ないけど」がいい。
「気になるあの娘」はハードな曲。
ネットでも言われてるけど、チャットモンチーみたい。
「小学館」は憂いを帯びてて好き。
「ムーンライト銀河」の旧タイトルは「ぎんぎん銀河」。これもこの方が良かった。
今回もSF的というか、スケールの大きな詞が目立つ。
「♪ しんしんシンデレラ」「♪ シャイシャイシャイな彼」「♪ ぎんぎん銀河」という相対性理論節も健在。
前作までの相対性理論を期待してると肩透かしを食らうかもしれないが、それと切り離して考えれば、これはこれで充分ありだと思う。
僕自身、初め聴いた時は50点くらいかとガッカリしたけど、聴き込んでいくうちにハマッた。80点つけてもいいと思う。
2ちゃんねるなんかをみると不評のようだけど、聴き続けてみるといい。
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