「Sugar And Spice (Live At The Roxy)」はArchiesのカヴァー。スピード・ナンバー。
「Two All Beef Patties (Live At The Roxy)」はマクドナルドCMのジングルなのかな?
「Mr. Late (Live At The Roxy)」はオリジナルで、なかなかポップでテンポのいい曲。
「Hold Your Head Up ~Hello (Live At Bogarts)」はメドレー形式。
後半の「Hello」がなかなかいいね。思わず体を揺らしてしまう。ハーモニーもカッコいいし。
マイナーになる所がスリリングでカッコいい「Will You Marry Me (Live At Bogarts)」。
アルバムには収録されず、ライヴでだけ披露されてたオリジナル曲というのは、速い曲が多いんだなあ...と思ってたら、「1・2・3・4..」のハーモニーと共にブギ調に。それまでとはまったく別の雰囲気になるのが面白い。
「Baby Come Back ~Baby’s Coming Back (Live At Bogarts)」も得意のメドレー形式。
ちょっとしか歌わないんだけど、「Baby Come Back」のオリジナルって誰でしょ。情感溢れる、なかなかいい曲なんだな。
一番好きな曲が「Ignorance Is Bliss(demo)」。
これは『ニュー・ミステイク&デモ・トラ』にも収録されてたんだけど、僕はそれを持ってなかったものだから、このボックスで初めて聴いて、えらく興奮した。
せつないワルツで始まったかと思いきや、その後はミニ・オペラ。アンディも「書いてて楽しかった」との事。このシャッフル・リズムに、バンジョーなどの楽器が効果的に絡み、これでもかという展開。この曲に出会えただけでも、ホント、このボックス買って良かったなあ、と。
つづく「Watchin The Rain(demo)」はマイナーな感じで、これもリンゴのイメージではない。
でも僕はこういう曲調大好き。コーラスや哀愁あるアコースティック・ギター・ソロがすごくいいんだ。
イントロのギターからしてビートルズ風の「I Need Love(demo)」。
いかにもリンゴを意識して書かれたという感じ。
リード・ヴォーカルを取っているのはロジャーで、鼻にかかった声もリンゴを髣髴させる。
全体を通してコーラスやフレーズがビートルズの香り満載。というか、なんだか以前どこかで聴いた事ある感じがしてたまらない。ラトルズとかユートピアとか...。
5曲も用意しておいて、結局リンゴのアルバムに採用されたのは「I Dont Believe You(demo)」1曲のみ。
ビートルズ・フレーヴァーたっぷりのこの曲、リンゴのアルバムで聴いた時から大好きだったので、ジェリーフィッシュ・ヴァージョンが聴けるのは嬉しい限り。とにかく楽しい気分になるんだ。
「Long Time Ago(demo)」もビートルズ。「ワーズ・オブ・ラヴ」とか「涙の乗車券」とか、あの辺の感じ。ジョージがリンゴのソロのために曲を書いたらこんなのできそう。アンディはロイ・オービソンの名前を挙げてるね、なるほど。ある意味トラヴェリング・ウィルベリーズかも。
このヴォーカルもロジャー。優しい気持ちになるね。
「Runnin For Our Lives(demo)」はロビン・ザンダーに提供した曲。
「Fan Club Message」はファンクラブへ向けてのメッセージだが、「The Ghost At Number One」が演奏されている。ドラムやベースなしのアコースティックな弾き語りだが、これがまた素晴らしい出来。
「I Can Hear The Grass Grow (Live On Australian Radio)」はムーヴのカヴァー。
さて、嬉しい事に、日本での音源が4曲。しかも、どれもレアもの。
「New Mistake (Live On Japanese Radio)」は、FM横浜での公開ライヴ?の演奏なのだが、ずっと「サーッ」という雑音が。もしかしたら、局のライン音源からでなく、エア・チェックされたテープからのものか?
そして、(当時)ユニコーンの奥田民生と阿部義晴と共に『ダウンタウンのごっつええ感じ』に出演した際の音源が。
アベBの「ヨォッ!」という合いの手と共に始まるビートルズの「Eleanor Rigby (Live On Japanese TV)」、チンドン屋風に始まるピンクレディーの「SOS (Live On Japanese TV)」。
2曲とも、日本ならではの雰囲気を出すためにか、三味線や和太鼓といった楽器が使用されている。
「SOS」はもちろん日本語で歌われていて、なんとも微笑ましい限り。
「♪ 今日もまた誰か~」のシャウトなどはなんだかアルフィーっぽかったり。
それにしても、何故『ごっつええ感じ』だったのだろう。今田耕司らしき笑い声も。クレジットには『Gottsu EhEh Kanji』と入っている。「えーえー」?
「SOS (Live At Club Quatro Japan)」は渋谷クラブ・クアトロでのライヴの模様。
ロジャーは、ピンクレディーの事を子供の頃から知っていたらしく、「SOS」はかなり気に入ってた様子。
ライヴ音源集と銘打ってある中で、最後の「Think About Your Troubles」のみスタジオ音源。
これは『スピルト・ミルク』ツアーが終わってから、ハリー・ニルソンのトリビュート・アルバムのために制作・発表されたもので、ジェリーフィッシュとしての最後の録音(94年2月)。
そして、このディスクには嬉しい事にシークレット・トラックが。
約5分の沈黙の後、「The King Is Half Undressed」のアコースティック・ライヴ音源が収録されている。
【目玉はオリジナル未収録のライヴ・ヴァージョン】なんていう謳い文句も見られ、単なるベスト盤ではなく、コアなファン向けのサービス商品か?とも思われたが、何のことはない、『Jellyfish Comes Alive』の丸々5曲...つまり、『ベリーバトゥン』のボーナス・トラックとしてすべて収録されているものなので、特に価値はない。
90年発表のデビュー・アルバム。
米では、91年に、それまでのシングルのカップリング5曲(ライヴ)をまとめたプロモCD『Jellyfish Comes Alive』が制作されたりしたが、日本では、93年に、その全曲に、当時の米・最新シングル「ニュー・ミステイク」のカップリングとして収録された「ベイビーズ・カミング・バック」(オランダTV番組でのアコースティック・ライヴ・ヴァージョン)を加えた合計6曲を、ボーナス・トラックとして追加した『ベリーバトゥン』が新装再発売された。
つまり、1st+ライヴ6曲というお得盤で、現在入手できる日本盤『ベリーバトゥン』はこの形式。